Vol.7 – 森 謙吾 / 働く人の心理的安全性を確保するため、僕は”HiManager”を起業した

※内容は、2018年11月時点のものです。

直感を信じる。
大きな決断の時は、そうするようにしています。

いま

– 現状について教えてください。

今年の7月にコンサル会社を卒業し、HRTechで会社を興しました。
スタートアップで働く人々の心理的安心と会社へのエンゲージメント(愛着心)向上に
コミットするサービスを展開しています。

[ HiManager ]

– コンサルを辞める時に躊躇はなかったです?

コンサル入社当時から、2-3年を卒業して起業予定だったんです。
実際にこの経験を通して、スキルはついたなと。
自身の考えをまとめて言語化する力、クライアントとの接し方。
そして、人事コンサルを4年ほどやれたので、
国内外の人事制度を知れるなどの専門性がついたと思います。

– 私は初期の頃からお話伺ってきましたが、とうとうですね。

はい。2015年4月頃から個人向けで似たような構想をしてきました。
今の事業の形態に至ったのは、2017年9月頃からですね。

– おめでとうございます。改めて原体験や動機を伺っても良いですか?

はい。僕は中高生の時に、人間関係で悩んだ時期があって。
でも、相談室で話を聞いてもらって、すごく救われた。
だから、最初は、学校などで人間関係に悩む人たちへ、
匿名SNSで悩みを聞いてくれるサービスを作りたいと思ったんですね。

安心して心の機微を吐露できる場所は、誰にでも必要だと。
今はそれをB向け(スタートアップ向け)に提供し、会社の心理的安全性・エンゲージメントを高めることで、売上・利益を向上し、離職率を下げるサービスを提供しています。

– 実際に法人化されてみて、どうですか?

あ、もう、めっちゃ大変ですよ(笑)
業務委託と副業あわせて4-5名いらっしゃるのですが人手が足りない。
僕自身も、とにかくなんでもやらなきゃいけない。

最近は起業家や経営者にたくさん会うようにしています。
僕を知ってほしいし、話を聞きたい。
12月までに100社会おうと思ってて、1日3-4アポくらい入ってる(笑)
Facebookの友人で経営者の人に当たっていっています。

– お忙しいですねぇ(笑)アドバイスで気づきがあったものはありますか?

あ、相談というよりコンサルティングに近いんですけどね。
組織や課題感を伺っていて。
会えば会うほど、パターン化されていく気はします。

– なるほど。パターン、伺ってもいいですか?

15人以下の規模だと、悩みは採用。
お金をかけずにリファラルしたい、と。
あとはOKRの設定ですね。目標管理。
それとミッション・バリューの策定。
会社っぽくしていきたい時期に多い悩み。

次に30人くらいになると…こっちも採用は悩み。
ただ、離職防止の悩みが出てきます。
優秀なインターンやエンジニアにきてほしいという気持ち。

リファラル採用と離職率低下は僕らがお手伝いできると思っています。
エンゲージメント=婚約のイメージ、つまり相思相愛なら、関係は途切れない。
だからエンゲージメントのスコアを上げていくことを目標にしています。

エンゲージメントのスコアって意外と可視化しやすいんですよ。
「今の会社を友人にどれくらいおすすめしたいと思うか」という質問で表せる。

60-100人になると、上司と部下の関係性、評価に
課題感があるというケースが多いです。
100人を超えてくると、同じように上司と部下の関係性、
または社員間・部門間のコミュニケーション・関係性の向上ですね。

– なるほど。良い会社とはなんなのでしょうね。

エンゲージメントの構成要素が8つあって。
理念への共感、社会的認知度、仕事のやりがい、成長、
人間関係、職場環境、評価、報酬…この領域です。

– あぁ、言われてみればESサーベイで聞かれるような…

あ、厳密にはESサーベイの項目とは別なんですけどね。
満足度と愛着って違うものなんですよ。
エンゲージメント(愛着)の方が、離職には相関があるそうです。
エンゲージリングのエンゲージと同じ。結婚みたいなものですね。

– なるほど。転職の時に、Vorkersはすごく見ていましたね。

ああ、Vorkers。
最近リンモチ(リンクアンドモチベーション)が買収しましたね。
あのサービスはいいですね、エンゲージメントのスコア化がよく出来ている。
企業の人事部や経営層は結構、あのレビューを気にしているらしいですよ。

[ 社員の口コミ評価サイト – Vorkers ]

– あと、リクルートは、エンゲージメント向上がうまいなと。

そうですね。アクセンチュアとか。アルムナイ制度。
日系企業はまだまだ転職は悪だという価値観がある。
でも、いつでも卒業して戻ってきていいという風土に変われば
エンゲージメントも向上するかもしれませんね。

[ Accenture alumni ]

前職での実績のアピールのしやすさ。
「あの会社にいたのだ」という看板の強さ。社会的信頼。
そういうのがあると、他の人にもその会社を勧めますしね。

– はい、文化の変化に期待。質問が変わりますが、お気に入りのツールは。

ツール…
あ、最近、Salesforceを入れたんですよ。
一人だけなのにね(笑) でも、営業してる感が出ていいなって。
友達の紹介で勧められたのと、月1の相談サポートがいい。

[ 営業管理クラウド – Salesforce ]

あと、”Shimeji”ってアプリご存知です?音声入力。
それと勝間和代さんオススメのリモートマウス。
MacはShimejiが使えないので合わせ技すると便利ですよ。

[ 音声入力 / きせかえキーボードアプリ – Shimeji ] [ スマホがマウス代わりに – Remote Mouse ] [ 勝間和代が徹底的にマニアックな話をアップするブログ ]

-へぇ〜!キーボードアプリだと思ってた。記事起こしに良さそう(笑)

精度はこれからっぽいですけどね(笑)
Shimejiは日本語と中国語対応なんですが、
音声認識って英語圏ユーザが多いので英語の方が精度がいい印象。

これまで

– 子供時代、学生時代。

うーん…比較的大人しかったです。
ゲームとかやってましたねぇ…
GBA(ゲームボーイアドバンス)のロックマンエグゼ。
わかります?え、E缶?それとは違うやつですね(笑)

[ ロックマンシリーズ ]

成績は…中高大が一貫校で、平均以上くらいかな。

中学はちょっと大変だったけど、高校は楽しかった。
1学年700人くらいの大きな学校で、大学みたいだった、自由で。

– 森さんはやっぱアメリカ感がある(笑) 子供の頃なりたかったもの。

んー…ゲームを作りたかったかなぁ、プログラマ。
そんな真剣じゃなかったですけどね。
はっきりした夢はなかったかな。

– 昔の自分に言いたいこと。

中学くらいから海外行っとけばよかったな、って。
プログラミングとかもっと勉強しなよって言うかな。

日本に何かあった時、海外でもやっていける人であったほうがいいなと。
それに、イケてるサービスは、大体ワールドネイティブ。
大きいことをしたいなら世界で戦えた方がいいですね。

– 今の事業は世界展開をお考えなのです?

今の事業は日本で考えているのですが、
以前考えていた個人向けのAIカウンセラー事業は世界でやりたい。
いずれはシリアルアントレプレナー、って思います。

– そのモチベーションはどこからくるのでしょう。

1つめに、将来的にはAIカウンセラーのような事業も取り組みたいと思っており、資金を作りたい。
今取り組んでいるのは法人向け事業ですが、将来的にはエンドユーザの生活も変えたい。

2つめに、ビジネスとして事業を成り立たせるための学びを得たい。
3つめは、悩みを抱えているすべての人が、
安心して悩みを吐き出せる世界を作り出すことを、
僕は生涯をかけてやりたいと思っているから、ですね。

僕は、これを”安全基地”と呼んでいるのですが、
自分を受け入れて何でも話せる人が一人いるだけで、人は変わる。
愛着理論と呼ばれていますが。
母親との間でこれが形成されることが多いそうで、
これがあることで他に羽ばたいていける。
カウンセラーがよくやるのは、母親以外との人の間で
これを作っていることに等しいですね。

これ、実は身近な人がなるのが難しい。利害関係が入ってくる。
第三者であるがゆえに話せるということも、実はあったりします。

– 私も社内外でキャリアカウンセラをやったりしますが、近いのかな。

そうかもしれませんね。社外だと、Yellというサービスが近いと思います。

[ クラウド1on1サービス – Yell ]

ただ、僕は社内でこれを構築したいと思って頑張っている。
出来ないことはないような気がしていて。
これ、家庭内だと結構難しい。重たすぎるんでしょうね。

– 近づきすぎずに、つながる。現代社会の解なのかな。劇などで望んだポジション。

男なので、おままごと経験はあまりないですが(笑)
文化祭での劇とかなら、一度主役に手を挙げたことはある。
注目されたいというより、何かにチャレンジしたかったんだと思います。
やってみてどうだったか?結果的に、良かったです。
自分が影響を与える範囲が大きくなるという経験が、新鮮だった。

起業したのも、そうなのかもしれない。
既存の似たようなベンチャーに入ることだって、出来た。
でも、自分がやることで、出せるものを追求したいと思いました。

価値観

– 森さんの幸せとは。

えーっ…うーん…
物事が効率的にやれるといいなっていう感覚はあるかな。
思考を整理して問題解決すること。
効率的にやること。情報収集をすること。
コンサルはここにはまってて、やりがいがすごくあった。

– あんまり、幸せを意識してないっぽい(笑) やりたいこと、ほしいもの。

1年版と10年版のやりたいことリストはあるんですよ(笑)
実現可能性は置いといて、とりあえずやりたいと思ったもの。
少しずつ叶ってきてはいるけど、まだやりたいことの1%くらいしか…
だから、まだまだ死ねないですね(笑)
可視化していると達成感が変わるので、こうやって客観的に見るのは大事。

意外と自分はコンサルが向いてると思うことはある。
コンサルとカウンセリングは厳密には違うのですけど、
クライアントが自分と対話することで思考が整理されていく様を
見ているのは、自分は好きだと感じるし、それが向いていると思う。

物欲かぁ…お金はほしい。
ただ、豪邸とかじゃないんですよね、次の事業資金。
4-5年でカリフォルニアに移住したいので、その資金。
シリコンバレーが近いのもいいですね。

– お金は事業に入れるという回答が多い。やりたくないこと、嫌いなもの。

無駄なこと。
海外の進んでいるサービスをよく研究するのですが
すでにうまくいくやり方が存在するのにそれをしないこと。
料理だってたくさんツールがあるのに、ずっと火を見てるとか。
プロセスは最小限にしたい。

あぁ、あと、睡眠や運動はすごく気をつけていて。
コンサル時代も8時間寝て、ジムも週2-3回やってる。
これを怠ると思考力が落ちるから、これはやりたくない。
松村さんもちょっと言ってましたね(笑)

[ Vol.1 – 松村 幸弥 / Yukiya Matsumura ]

嫌いなもの…紙の処理。お役所系のやつ(笑)
めんどくさいじゃないですか…

– 男性に聞くのは初めてですね。恋愛と結婚。

恋愛は…楽しいもの。好きならいいのかなと。
結婚は…パートナーなので、目標が似ているとか支え合えるとか、
互いがいて安心できるという要素が必要かな。

– では、家族とは。

僕にとっては、家族の理想は、”安全基地”であること、なんですよね。
もう、シンプルに。

– いい表現。私も同じような解です。

自分

-項目増やしてみよう(笑) 自分を動物に例えると。

えーっ…動物ってなにがありましたっけ(笑)
い、犬かなぁ…
猫って最後は自由みたいなところあるけど、
犬は飼い主との関係も近くて、それを大事にしている。
えっ、いやー…よくわからないですね(笑)

-色に例えると?

オレンジとか赤とかがいいですね!
暖かくありたい。

-国だとどうです?

アメリカ半分、日本半分…?
アメリカは人の関係が自由な感じが好き。
表面っぽくあるからこそ気さくなところ。
でも深さも望んでいて、そこが日本ぽいのかなぁ。

– 海外行くと解放された気分になりますもんね。

これから

– これからの働き方。

働き方が細分化されて、プロジェクト単位になりそう。
コンサルの時はそうだったし、他の会社もそうなっていきそう。
働くことを好きだと言える人が、増えてほしい。
あ、働かなくてもいいんです、でも働くならそれが好きだといい。
働かない世の中ってどうなるんですかね。

ベーシックインカムとか…?
あと、企業が無料でサービスを提供することで
データを取るモデルが増える気がしていて、
そもそも生活費がかからなくなってくる気がする。

-その時、人間はどうなるのでしょうね。

仕事ってある種自己実現の一番わかりやすい手段。
クリエイティブな何かを始めるだとか、変わりそう。

– これからの日本。

うーん…この国を助けたいという気持ちはある。
日本は経済大国なのに、エンゲージメントがすごく低い。
エンゲージメントが高いほど生産性が高いと言われていますが、
2017年に行われたギャラップ社の調査では、139カ国中132位でほぼ最下位なんですよ。

働き方改革と叫ばれているのは、実は労働時間の問題ではない。
僕は、エンゲージメントを改善することだと思っている。
好きなことをしていたら長時間働いていても苦でないはず。
それはもはや労働ではない。ただ、これを客観的に判別するのは難しい。

GDPの改善も、全ては働く人たちで成り立っている。
だったら彼らのエンゲージメントを上げることで、
国の生産性をあげることができるかもしれないと、思っています。

-自分の老後。

何したいかってことですかね?
理想だと引退はしたいけど、現実解としては働いていそう。
投資家に回りたい。事業は後進に譲りたいです。
僕はテニスとかやってたいなぁ(笑)

僕は孫(正義)さんを結構尊敬していて、アカデミア生でもあるんですが。
彼の人生指針をなぞるのもいいなって。
彼の本はすごく読んでいて、本版もKindle版も持ってますよ(笑)

[ 孫正義の後継者を探す – ソフトバンク・アカデミア ]

“情報革命で人々を幸せにする”、って、僕の思想に近い。
ロボットが人の感情を理解して、寄り添ってくれる世界。
“her”っていう映画があって、これ僕の実現したい世界に近いです。

[ 僕はOSに恋をする – her ]

-あ〜、おすすめのの映画と本も今後聞こう(笑) ありがとうございました。

Profile

森謙吾/Kengo Mori
1991年生まれ 東京都出身

慶應義塾大学法学部を卒業後、PwCコンサルティング合同会社に入社。
製造・小売・通信・金融等の大手企業に対する人事コンサルティング領域に従事。

現在はピアリー株式会社を柴田泰成と共同創業し、
急成長スタートアップにおける従業員のエンゲージメント・心理的安全性を高める
コンサルティング及びHRテックサービスの導入を行っている。

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