※内容は、2019年7月時点のものです。
2歳児を育てながら、パラレルキャリアを楽しむ佐々木恵さん。
人材派遣企業での営業/キャリア・アドバイザーや、スタートアップなどを経て、出産。
今は、個人向けのキャリア支援をされています。
昼スナックでもママとして働く彼女は、いつかは自分の場をもちたいと語ります。
様々な人が相談に訪れる彼女が考える、「自分らしい働き方の見つけ方」とは。
“人生丸ごと楽しむライフクリエイター”として等身大に生きる
いま
-先日の昼スナックではありがとうございました!今の働き方について伺えますか?
はい、よろしくお願いします。
今は個人事業主で、パラレルキャリアをしています。
キャリア支援。
スナックのママ。
2歳児の母…子育ても入れるなら、3足わらじとなるのかな。
– メインのお仕事となる、キャリア支援はどのようなことを?
Career Design Programという3ヶ月間フルコミットの実践型プログラムと、
Career Design Cafeという女性コミュニティの2つをメインに取り組んでいます。
– Career Design Cafeについては、先日、Vol.13にもお邪魔させていただきましたね。
[ 働く女性のPolaris!Carrer Design Cafeとは?]はい、あのような感じで、自分の働き方や社会との繋がり方を模索している女性のための会を主催しています。
過去の開催テーマはこんな感じ。
2月:WILL(やりたいこと)を見つけ自分らしいキャリアを創る
3月:パラレルキャリアを語る
4月:ワクワクを形に。働く女子の複業・起業の始め方
5月・6月:自分だけのわがままリストで人生を豊かに
7月:”好き”で創る私らしいキャリアの育て方〜(今回の取材イベント)
– 働き方の模索段階にある方にはぴったりのパラレルキャリアは、小さい子供がいる女性にもぜひトライしてみてほしいですね。こちらはどのように始められたのでしょうか。
最初はパラレルキャリアの形で、会社員をしながら様々なイベントを主催していました。個人事業主となってからは、企業からの業務委託も受けるようになり、キャリアコンサルタントとしての面談や、組織開発コンサルタントなども経験しました。
– ”スナックのママ”は、チャーリーさんのところでされているのですね。
はい、Charlie’s Barで金曜のお昼にスナックめぐみ&ゆきをやっています。
[ スナック恵&ゆき ] ※【毎週金曜15時〜18時】3時間限定OPEN 麻布十番2-9-7[ Vol.41- 岡田真幸 / SONYを退職して僕がCharlie’s Barのオーナーを始めるまで ]
今度、五反田でも、コワーキングスナックのお昼のママとして立つことになったんですよ。
[ コワーキング昼スナックゴタンダ ] ※【毎週木曜12時〜15時】3時間限定OPEN 品川区西五反田1-9-3 2Fhttps://www.facebook.com/コワーキング昼スナックゴタンダ-724054164718723/
– ソーシャル・スナック、本当に流行ってますね。こちらはどうやって始まったんですか?
もともとは不定期に、「スナック恵」という名前で夜に営業していたんです。
昼にスナックを開ける発想は私自身にはなかったんですが、「スナック恵」の活動が目に止まった人が、Charlie’s Barを紹介してくれて。
– 昼スナックを始められてみて、いかがですか?
チャーリーさん(岡田さん)のインタビューの中でも触れられていましたが…
昼の時間帯というのは、わざわざ、時間作ってきてくださる方がほとんど。
ここにきたら面白い気づきや出会いがあるのではないかと思っていらっしゃる、アンテナの高い人が多い気がします。
– 健全でいい人材が集まりやすそうな仕掛けですよね。ご自身でもお店を借りてやりたいなと思ったりされますか?
はい!
学生時代から、いつかは飲み屋をやりたいなぁとずっと思っていて。
ただ、店舗を固定で持ってしまうと経営から離れられないし、自分の活動エリアが固定されるので、色々とやりたいことをやりきってからかなと。
– なるほど、確かに店舗ビジネスはそうですよね。スナックがお好きなのは何か原体験がおありなのですか?
もともと飲むのが好きだったのですが、会社員時代に転職を考えて悶々としていた時代に、行きつけのお店のママにいつも話を聴いてもらっていて。
ああ、私がやりたいのってこれだなって思ったのが原体験なんです。
飲食はずっと憧れだったし、自分もこういう空間を作りたいなって。
今も、常に物件は探しています(笑)
– おおそうなんですね!どういうお店を作りたいか、ビジョンはあるのですか?
あります!コミュニティ・スペースのようなものを作りたいんです。
昼はカフェ兼コワーキングスペース兼学びの場として。
夜はお酒が飲めるみたいな。
今は、子連れの人が行く場所って、ママと子供ばかり。
飲む場所は、ビジネスパーソンばっかり。
でも、彼ら彼女らに必要な場所って、「家と会社の往復では出会えない人」と出会うことでしょう。だから、ごちゃ混ぜな空間を創りたいんです。
– なるほど…本質的にはコミュニティ・マネージャーに近い素質のようですね。
これまで
(ワークショップ中の佐々木さん)
– 幼少期の環境からお伺いしても良いですか?
私は大阪出身で、父母兄の4人家族でした。
幼少期は、ものすごくおとなしい子でしたね。
中学生くらいから優等生タイプというか、しっかりキャラになりました。
– 今も妹キャラというよりはお姉ちゃんキャラな雰囲気ですね。部活はされてました?
バレー部に入ったんですけどすぐに辞めました。
私、集団生活が本当に合わなくて…働き方のメディアでこんなこと言っていいのかわからないですが。
– あ、Polarisは私含めそういう人のほうが多いので大丈夫です(笑)自己管理はお得意な方ですか?
あ、はい、割としますね。
一人でやるには限界はあるので、人を巻き込んでやることは多いですが。
– なるほどなるほど。学生時代はどういうことを考えてらっしゃった?
集団生活に向いていないと思っても、学校に行かないという選択肢は当時の私の中にはなかったので、毎日通学はしていたんですよね。
そういうものだと思っていたけれど、内心は辛かったし楽しくなかったです。
– 中高生だとそうですよね。大学は行かれました?
はい。教育学部で臨床心理を専攻しました。
高校の時に人間関係に悩んだ経験から、人の心に興味を持つようになりまして。
– いいですね〜。院まであったので私は臨床心理学は諦めたのですが、行きたかったです。気づきは何かありました?
興味はあったのですが、深めれば深めるほど、仕事としてこの世界に関わるのは、自分のやりたいこととは違うという気づきがありました。
– ふむふむ。
カウンセリングというのは、閉じられた空間で1対1で行う、すごく専門的なもの。
私はもっと開かれた場所で、多くの人にできることを探そうと思い、大学院に行くのは辞めて、就職をすることにしました。
– そうなんですね。大学は楽しかったですか?
ものすごく楽しかったです!
初めて自分が安心できるホームができた気がした。
中高とは違い、大学は行きたい時だけ行けばいいという選択権を得られたことがとてもよかったし、ゆるい繋がりが心地よかったです。
– とてもわかります。社会人もそうですが、人間関係の濃度を調整できるようになり始めるのが大学からですね。就活をされたとのことでしたが、いかがでした?
1社目はリクルートスタッフィングに。
第一希望でした。
– おや、メインどころの新卒でも転職でもなく、派遣なんですね。
求人媒体とか転職支援って、一度転職したら関係性が終わるじゃないですか。
私は、むしろその後、その人の働く人生に長く寄り添いたいと思った。
なので派遣事業を希望していたんです。
– なるほど。実際入られてみていかがでした?
派遣事業というのは、法人とエンドユーザの間に立つ仕事で。
私は派遣社員さん側に寄り添いたかったけれど、法人営業を取ってくる方が重点的だったので、そのギャップに最初は苦しみました。
– ふむふむ…そのギャップは最終的に解消されました?
はい!
ちゃんとクライアントの役に立てるようになってきたら、営業も楽しいと思うようになってきて。
結局、どちら側の支援も一緒だとわかったし、どちらか一方に偏っても、だめなのだとわかりました。
28才で転職しました。リクルートスタッフィングでの仕事はとても楽しかったのですが、成熟した業界だと感じていて、ゼロから新しくマーケットを創るような仕事にチャレンジしてみたいと思っていた頃に、代表のブログを読んで。その会社に転職しました。
– そちらはいかがでしたか?
そこはキッズラインという女性/育児支援のマッチングアプリを作っているスタートアップ。実際に働いていたのはちょうど1年間なのですが、感覚的には3年くらい働いていた気持ちです。
[ キッズライン ]– それは…かなり経験のサイクルが早かったんですね。
法人営業として入りましたが、立ち上げ当初だったため、エンジニアの仕事以外は何でもやりました。マッチング事業だったので、両サイドのユーザーに向けた企画も様々関わりましたし、セミナーやクラウドファンディングもゼロから企画しました。当時は社内に採用や広報の専任がいなかったので、必要があればそちらにも関わりました。
途中で妊娠し、そこから産休に入るまでの半年間は、これまでの人生で最も仕事に没頭しました。あんなに働くことはもう一生ないだろうというぐらい、当時は楽しくて夢中でしたね。出産後、その会社には戻らずに退職したのですが、その時に出会った人たちが、いまフリーランスをしている上での心強いパートナーになっています。
– 産休前後でもパワフルで素晴らしいですね!
私、出産後も、子供が3ヶ月の時から転職活動を始めているんですよ(笑)
– すごい!最近、産前産後の方から仕事が見つからないと相談を受けることが多くて…どうやって探されたのですか?
私の中では、リクルートグループに戻ろうと決めていました。
出戻りですが普通に面接を受けて、リクルートコミュニケーションズに転職しました。
– リクルートグループは副業もできるし、託児所もあるしいいですよね。
そうですね。卒業後、独立される方も多いです。
私は1年ほど働いた後、フリーランスになりました。
フリーランスになる時には、明確な事業方針は決めていなかったのですが…
自分がピンときた仕事を受けていくうちに、最終的にキャリア支援に腹を括りました。
– 最終的に一つに絞る必要もそもそもないですが、自分のやりたいことを見極めていくのに、パラキャリはすごくいいですよね。
価値観
– やっていて楽しいことはありますか?
局所的に今はまっているものは特にないんですが…
ヨガとお酒はずっと好きです(笑)
– わくわくする瞬間は。
やっぱり、人と話している時ですね。
知的好奇心というより、人の価値観を知るのが面白い。
– もともとそういう素質をお持ちなのでしょうね。
これから
(昼スナでママをしているところ)
– 今年やりたいこと。
今年に限定せずに、私、やりたいことは既にほぼやっていて。
ずっとやりたいと思っていてまだ実現していないのは、自分の場所をもつことくらいですね。
– おお、素晴らしい。やりたいことリストがチェック済みのタイプですね。では、明日死んでもあまり後悔はない方ですね。
そうですね。子供の成長は見届けたい気持ちはありますが。
ただ、もし私が今死んでも息子は充分やっていけると思っています。
彼のためにやれることを私はやっているけれど、私がいなくても、彼の人生は彼のもの。
私の人生も私のもの。
いつかと言わず、いつだって、したいことは自分で叶えるものだと思います。
– う〜ん、素晴らしい。これからの働く世代に言いたいこと。
まずは、自分が好きなこと、わくわくすることがなんなのかを知ること。
それを細々とでもやり続けていれば、絶対に次につながる。
実際行動に移す人、そして継続できる人ってすごく少ないでしょう。
でも、好きなことだったら、それってきっと苦じゃないと思います。
– 好きなことがない人にはどういうアドバイスをされています?
私は、好きなこと・得意なことがない人っていないと思うんです。
ただ本人が自覚できていないだけではないでしょうか。
– キャリア・アドバイザーとして意識していること。
私は基本的にアドバイスをしません。
やりたいことは既に本人の中にあるもの。
だから、アドバイスというよりは引き出すお手伝いをします。
– その通りですね。相談するのは構わないのですが、ぴかぴかな答えを探し求めるのではなく、自分の心の整理に使って欲しいといつも思います。
言語化できたとしても、実際に行動に移す段階で、できないという悩みを持つ方も多いです。その場合は何かがストッパーになっていることが多いので、時間をかけて対話していく必要があると思います。
– よくある相談はどういうものですか?
同世代の女性の場合、仕事とプライベートとのバランスに悩んでいる方が多いです。
あとは複業だったり独立だったり、会社員以外に興味があるが、やり方がわからないという方も多い。
私が一番伝えたいこととしては、評価軸、行動軸を、他人が作ったものに依存しないこと。
例えば、多くの人に認められることだとか、たくさん稼ぐことだとか。
– 資本主義社会の価値観で生きると、幸福度は下がりやすいでしょうねぇ。自分の幸福というものを自覚するプロセスを踏んでいないので。
そう、そういうわかりやすいものではないし、そこに正解も不正解もない。
誰といたいか、どんな自分でありたいか、心の底から湧いてくる自分の想いを具体的に言語化できたことで、私はとても生きやすくなった。
だからこれを広めていきたい。
今いる環境ややっていることに違和感がない人はいいのです。
けれど、少しでも葛藤がある人に対しては、自分の心の声を聴いてみてほしいなと思います。
– とても共感します。ありがとうございました。
終えてみて
まだまだ、言語化しきれていない部分がたくさんあるなと思いました(笑)
こうやって自分でも発言したり、問いを投げかけられて答えていくことで、考えが整理できるのはとてもいいですね。
ありがとうございました。
Profile
佐々木恵 / Megumi Sasaki
人生丸ごと楽しむライフクリエイター。”自分軸でしなやかに輝く”をビジョンに、キャリアコーチとして活動中。
ライフワークとして週2回、昼スナックのママとしてカウンターに立つ。
プライベートでは甘えん坊な2歳男児のズボラな母。
好きな言葉はセレンディピティ。
京都大学教育学部卒、リクルート、キッズラインを経て、2018年独立。
ライター
Nocchi
当サイト管理人。
働き方の柔軟化を目指して、様々な人のインタビューや働き方関連イベントの企画、事業立ち上げ支援などを行う。
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