Vol.1 – 松村 幸弥 / ソシャゲ企業に入社した僕が”シューマツワーカー”を創るまで

※内容は2018年10月時点のものです

自分が、”特別な人間”だと、信じて疑わないこと。

副業サービスを創業した松村さん。
元々は会社員だった彼は、なぜ副業という事業をやろうと思ったのでしょうか。

いま

– 今の状況について教えてください。

副業サービスの創業者兼経営者です。

遅くとも11時出社にしていて、コアタイムは11-16時にしています。
リモートも全然OKにしています。
今はまだ創業期なのでオフィスで頑張ってもらうことも多いですが、
ゆくゆくはもっと自由にしていきたいと考えています。

これまで

– どうして創業しようと思ったのですか?

新卒でソシャゲの会社で5年ほど働いていたのですが、
数年目に、いい儲け話があるよという詐欺にあったんです。

投資信託に借金でお金を入れてしまい…
半年くらいは毎月収益があがっていたのですが、
当時芸能人も巻き込まれた大型の詐欺案件で。

損失をどうにかするためにネットで副業を探したのですが
この時、出てきた案件が、それはもう、怪しいものしかなかった。
そこで、”それであれば僕が良質な副業サービスを作ろう”と思いました。

– どうやって創業まで持って行ったのですか?

当時一緒に、今でいうシェアエコに関わっている友人に誘われたのがきっかけです。
とある朝活イベントに行ったら、すごいインフルエンサーに出会って。

”僕は世界を変える”と語り、コミュニティの尊敬を集める彼に惹かれ、
僕も外の世界を知るために起業を決意しました。
もう、VCとは、という初歩的なところから、起業に必要なものを教わりました。

彼と自分の違いというものを身にしみたのは、とても印象深い原体験です。
僕はまだ何者でもない。彼のように特別になりたい。
皆と一緒なんて嫌だ。
僕は、写真に写る時も人と同じポーズをとりたくないんですね。

他と違う存在である。
僕の原動力の一つですね。

日本はある意味、これがチャンスだと思っています。
海外はむしろ個性が認められている多様的な社会なのに対し、
日本は単一民族国家であり同化を求める。
これはピンチでなく、自分を特別にしやすい、いい土壌だと思っています。

– 実際に創業してみていかがですか?

福利厚生大手の企業などを調べ始めましたが、知名度の割に利用度が低くて。
真の福利厚生を、と思い、”社食コレクション”という社名に決めました。

去年の2月に会社を辞め、独立しました。
昼は飲食店営業、夜は副業事業のヒアリング、
日銭のために副業サービスであるシューマツワーカーをやって、
今はこれが軸になっています。

今年の3月に外部資本を入れました。
めまぐるしい日々で、もうゴリゴリです(笑)

みんな、なんでも、上手いことやろうとするんですが、
実はやってみると意外とできたりする。
簡単なショートカットなんてない。なんでも、やらないと。

– 創業者ってお忙しそうですが…

アポは多くて、あちこち行っています。これは1日の30%くらい。
あと多いのが採用に割く時間で、これも30%くらいです。
残りは作業などに充てていますね。

– オフィスにはどれ位いらっしゃる?

オフィスは渋谷にあるのですが、そんなにいることはないですね。
1日3-4時間くらいですかね。
もっとオフィスにいる時間は増やして、
スタッフとのコミュニケーションを増やしていきたいとは思っています。
現場の声を吸いあげることが、サービス改善には必要ですし。

– 睡眠時間など、健康面が心配ですね。

寝るのはいつも深夜2-3時頃にはなってしまいますね。
日中は人と会っていたりするし、作業ができないので、どうしても夜に負荷が。
ただ、会食があってお酒が入ると、眠くなってしまうので、なかなか(笑)
あと、会食があると体重が増えるのが悩みですね。

– よく使うツールはなんですか?

ベタなのが多いです。Slackとか。

スタートアップ界隈だとTrello、バックログも多いですが
自分用のメモではEvernoteを使うことが多いです。
スマホで更新できるのがいいですね。

端末はスマホ(iphone)、PC(Surface)です。
なんだかんだWindowsのほうが好きですね。タブレットは使っていないです。

– 作業中のこだわりはありますか?

作業中は音楽を聞くのが好きです。
オフィスでもかけています。
その時の気分次第で、カフェ系やパーティ系など様々。

移動中は聞かないようにしていて、
街の広告などをきちんと見るように気をつけています。
多くのクリエイティブに触れることは感性研磨に大事なことだなと。

シューマツワーカーの猫のイラストバナーがあるのですが
あれは日経の三国志の広告からインスピレーションを得たものです。

– 日頃気をつけていることは、ありますか?

身だしなみには気をつけています。
創業者は特に自分をシンボル化することが大事だと思っているので。
ちょっと面白い発言をして特徴付けをしたり。

”経営者オーラ”のようなものは出せたらと思います。
足の長さや背の高さなど、外見偏差値というか…
なので、実はシークレットブーツを愛用しています(笑)

スーツを着る機会はほぼないですが、スーツが似合うようになりたい。
そのためにも、来年からダイエットをしたいですね。

あと、スタートアップ界隈だけではなく
そういうのに関心がなさそうな人たちとも交流しています。
メルカリがそうだったみたいですが、
田舎の田んぼに住んでいる人が使う視点まで醸成したい。

学生時代

– どんな学生でしたか?

とにかく目立ちたがりでしたね。
それが目的でテニサーに入りました(笑)
文化祭とか新入生歓迎会はめちゃくちゃ楽しかった。
全然参加しないくせにすごい目立つというチャンスイベントで(笑)

大学の内部ではおさまらずに、外部ともたくさん関わりを持つようにしていました。
とにかく楽しかった。

– 就活はいかがでした?

ただ毎日楽しくて、起業も全然考えなかったですよ。
とりあえずエンタメで選んだら、入社後が全然面白くなくてびっくりでしたね(笑)

– 当時なりたかった大人像はありますか?

大人になってからのことは特に考えてなかったですね。
芸能人、アーティスト、社長など、なにか有名にはなりたかったけれど
特別になりたい職業などはなかったです。

価値観

– やりたいことはありますか?例えば、今5億円もらったとしたら。

え…人を雇いたい…?
それ以外だとエステに行きたいです!(笑)
パーソナルジム、エステ。痩せて、スーツを買いたい。

あと本を出したいですね。マーケの一環なんですが。
”副業社員”っていう言葉を流行らせたいんですよね。

フリーターという言葉を作ったのはリクルートさんですが、
僕は副業社員という概念を普及させたい。そのために本にしたい。
自叙伝もいつかは出したいですね。

– 出会う人皆に聞いているのですが、松村さんの幸せとは。

答え、ありますよ。
僕、承認欲求も強いんですが知識欲が強いんです。

タイに行った時にめちゃくちゃ面白くて。
新しい発見があった時の興奮は、本当にやばい。
僕は旅人になりたかった。

– めちゃくちゃわかります(笑)

旅人になりたくて起業したのに
起業が面白すぎてとても満たされています。
お金はないんですけどね(笑)

これから

– 働き方はどうなっていくと思いますか?

それはもう、多様化していくと思います。
リモート、副業もそうですし、週3-4の正社員も当然のオプションになる。
僕は正社員の頃、フリーランスの存在なんてほぼ知らなかった。
でも、知ってからは痛烈にそれになりたいと思った。

今はその情報があふれている。
フリーランスや起業という生き方を知る人が増えてきた。
となれば、それを選ぶ人というのは当然増えていくと思っています。

– 日本はどうなっていくと思いますか?

僕はポジティブに捉えていますよ。
この間、福岡のイベントに参加してきたのですが、普通に高校生が起業しています。

政府が悲観するより、若者はもうライフシフトしている。
だから楽しみでしかないです。

– いいですね!ありがとうございました。

Profile

松村 幸弥 / Yukiya Matsumura

1989年生まれ、石川県金沢市出身。
横浜国立大学を卒業後、東証一部のソーシャルゲーム企業に新卒で入社。
約5年間弱、ソシャゲのプロデューサー/ディレクターとして働いたのち、
2017年2月に独立(登記は2016年9月)。
『シューマツワーカー』という、副業したい人と企業をマッチングするサービスを運営。