Vol.20 – 室田 浩志 / 僕は心の拠り所となる場所、”拠り心”の実現を目指す

※内容は、2019年2月時点のものです

みんなちがってみんないい。

大学を辞めて起業した室田さん。
自身の原体験から、自分らしさが肯定される世界を作りたくて”拠り心”を構想します。
収益化に悩み、Terraceへ入社し会社員となりますが、作りたい世界への情熱は続いています。

いま

– 室田さんの、いまについて教えてください。

株式会社ZERO TALENTの取締役COOをしています。
過去に関係なく挑戦できる未来を創っていきたいと思っており、toCで非大卒(中卒・高卒など)や第二新卒向けにキャリアのリスタート支援を、toBで優良中小企業向けに採用コンサルティングを行っています。
双方をマッチングしていくというところですね。

[ 人生を再定義する -ZERO TALENT (terrace子会社) ]

– どうしてこれをやろうと思われたのですか。

僕自身も高卒で。
大学を中退して起業しているんですね。
メンタルヘルス系で2年間ほどやったのですが、収益化が厳しくて。

資金も人脈も難しくなり、就職しようにも高卒という肩書きだけでそもそも企業にエントリー自体がなかなか難しいということも知ったりして…
その時に救ってくれた人と環境があって。

どん底からでも這い上がれた経験から、
僕もそういういつでもリスタートできる社会を作りたいと思ったのがきっかけです。

– 実際にやってみていかがですか?

本当に、意義があるなと日々実感しています。
ポテンシャルが高いけれども社会からのレッテルで劣等感を感じている人はすくなくなくて。
これを磨いていけば輝けて人生変われる人がこんなにいるのかという驚きがあります。

– 対象年齢はどれくらいなのですか?

18-24歳がコア、東京就職を目指す子達ですね。
ユーザは、エントリーベースで年間2万くらい、そこから研修や面談を通して
就職まで行ったのが150~200人くらいですね。

主に就職とはと言う概念の研修、1on1コーチングによる適性判断、企業紹介、面接対策、といったところです。
内定が取れたらインタビューして。
定期的に飲み会を開いて、コミュニティにして行ったりもしています。

– 多くの人の人生を救っているのですね。

これまで

– 子供時代、学生時代。

割と裕福な家庭に生まれまして…
いわゆる英才教育で期待の高い中で育ってきたと思います。
一方で、それに答えられない自分がいて。

– 要求水準が高かった、とか…

いや、本当に(笑)
いろんなことが全くできなくて。
…すごい劣等感でした。

母が祖父に謝罪するわけです、不出来でごめんなさいと。
それでも、あなたはあなたでいいと言ってくれていた。
剣道や塾を始めて、成果を出せば認められると言うことが嬉しくて、なんでも努力して勉強するようになった。

– ということは、成績はよかったのですね。遊びたいという欲求はありませんでした?

小学校の頃はそれほど。
高校生の頃ぐらいからはもう、目立ちたがりになっちゃって(笑)
委員長や文化祭リーダーをやったりしていましたね。

– クラスの中心的存在だったのですね。

もう楽しかった。
大学の頃はサークルに8つ入って、毎晩飲むみたいな…
友達になったらやばいってレベルでクレイジーでした(笑)
大学1年生の頃に遊びきりましたね〜…

そういうところが買われたのか、大学2年生の時に、とある先輩に、お前は営業に向いていると言われて。
これがやってみるとめちゃくちゃ面白かった。
サークルを7つやめてのめり込みました。

– 何の営業をされていたのですか?

通信回線ですね。
大学2年生の頃はフリーターとして入って、3年生の頃は学生団体みたいなのに所属し、今でいう長期インターンとしてやっていました。
300人くらいの、ギラッギラの組織で、超厳しかった(笑)

– めちゃくちゃ鍛えられそうですね…

鍛えられましたね〜!
その組織の中で幹部になって。
その時点で3年生後半だったんですが、自分の市場価値を確かめたくなって、中退して起業を決めました。

– 起業では、どういうことを?

やったことは「拠り心」というメンタルヘルスの事業です。
収益化は厳しかったので、通信と不動産で資金はなんとかやっていましたけどね。

森さんと似ていますが、心理的安全性に興味があって。
いつでもおかえりと言ってもらえる環境を作りたかった。

[ 森 謙吾 / 働く人の心理的安全性を確保するため、僕は”Peerly”を起業した ]

– これは原体験があるのでしょうか。

やはり幼少期かな。
認められない、自己否定の辛さや孤独感。

– なるほど。自己否定されて自信を無くした人に、してあげられることとは、なんなのでしょうね…。

まずは素敵なところを見つけてあげること。
そして、成功体験を積ませること。

人ごとにハードルというのは違っていて。
それを的確に判断して、今まで経験してこなかったことを積んでいってもらう。
キャリアの話でいけば、履歴書書けたね、とか、面接行けたね、とか。
未知のことでも少しずつ成長している感を実感してもらうことで何者かになれていく。

– 大事ですね。terraceへ入社されたきっかけというのは?

起業時どん底で、もう人生辞めようかないう時期があって…
その頃にterraceの代表杉岡が声をかけてくれて。
彼は、僕がインターンをしていた時の一番お世話になった上長で、近況報告を全部聞いてくれました。

僕の悩みを聞いたら、「たば、一緒に働こう、東京に出ておいで」と何もない自分を創業間もない会社に誘ってくれた。
あ、僕はたばと呼ばれているのですが、もう嬉しくって。
で、そこからはもうジェットコースターですね(笑)

– 色々あったのですね(笑) 最初の頃、terraceではどんなことをされていたのですか?

Web広告・メディアの営業代行を9ヶ月くらいやっていました。
掲載企業の開拓ですね。

やがて、自分たちの事業を持ちたいという意欲が出てきて。
自分たちらしさややりたいことをまとめて、beyond cafeの構想ができてきました。
その段階で箱も借りて、営業もして(笑)

[ 意義に出会い、本当のあなたに出逢う – beyond cafe ]

– 行動力が素晴らしいですね!

もう背水の陣でした(笑)
ただ、僕たちにはそれが向いていたのだと思う。
めちゃくちゃお節介で若手への支援も、採用支援も、そういう理念そのものが。
学生からも企業からも愛されて。いい事業になってきたなと。

– 素敵なプラットフォームですね。

価値観


– いま、一番情熱を捧げられるものは。

組織構築や人事…かな。
働く環境を良くするということにとても興味があって。

terrace自体にも子会社も増えてきているし、メンバーがモチベーションを持って働ける環境を作っていきたいしそれを外にも展開していきたい。

– 働きやすい環境というのは、どういうものなのでしょうね。

抽象的なんだけど、まずは良好な人間関係。
相互理解があり、互いの目指すものを知っている上で、歩みながら互いの方向へきちんと向かっていけているな、と実感を持てる状態。

– どうやって構築していけば良いのでしょう。

まずは、ミッション・ビジョン・バリューの理解と発信で。
あとはなんだかんだ、定期的なコミュニケーションで確認し合うこと。

– オフィスや契約形態を変えることで、環境改善できそうなことはありそうでしょうか。

働き方としては、リモートでもいいんだけど、一緒に時間を共有する方が僕は大事だと思っています。

組織文化でいけば、僕らは、自分との約束というのを明文化するというものを作っていて。
会社とではない、自分自身との約束。
評価対象ではないけれど、自己意識を持って、当事者意識の中で働くためにね。

– 素敵ですね。日々、多くの方とコミュニケーションを取られていると思いますが、人と関わる時に気をつけていることはありますか。

目線合わせ、ですかね。
相手思考で何を考えていて課題を感じているかや感情を察する。

相手にとってどういう存在でありたいか…?
慕われたい…かな。
言われてみれば年下が増えてきた気もする。

– なるほど。ご自身のわがままを通したい!ということはあまりないですか?

まぁ、プライベートになれば、別だけども(笑)
仕事における距離感と、友達との距離感は全然別ですね。

– プライベートだと、どういう人だと言われますか?

え〜…ちゃらんぽらんというかクレイジーというか…(笑)
刺激のある人生を生きたいっていう欲求もあって。
正しくありたいと思うけど、制御するより危ない橋に飛び込み続ける方ではある。

– 面白いことがお好きなのですね。お休みの日は何を?

一人遊びが多いですよ(笑)
舞台や映画を観に行ったり、美術館に行ったり。新しい体験をどんどんしたい。
あとは囲碁や麻雀を打ったり。

– あら、今度対局しましょう(笑)

え、囲碁できるんだ?知らなかった(笑)
飲みとかも好きですよ。
weeeksを使って暮らしていた頃は、飲み会だらけだった。

[ 日置 愛 / 1週間ルームシェアweeeksで”住”の当たり前を再定義 ]

-ヘビーユーザでしたからね(笑) weeeksを始めようと思ったきっかけは?

もともと、俺がつくりたかったものでもあったからね。
もうドンピシャだった。楽しかった。
俺はもうずっとシェアハウスで、これからもシェアハウスで暮らしたい。

僕にとって、自由に暮らせることは大事で。
今の家を引き払うのが4月末なので、どこに暮らそうかな、とは。
いつでもどこにでも行けるように、常に身軽でいたいと、思っています。

これから

– 今5億円もらったらどうしますか。

大きいコミュニティ作りに投資したい。
マーケティング、運営資金ですね。
まぁ、まずは、拠り心に突っ込むかも。

– 拠り心、今でも大事にしているのですね。今年やりたいことはありますか。

やっぱり、拠り心かな。
いつでも、おかえり、ただいま、が言える場所。

会社の事業として展開することも視野にいれているので会社を大きくしていきたいという気持ちが強いです。
水面下でもいいから、ジリジリと。

– ありのままでいられる、ということですね。10年後の自分はどうなっていると思いますか。

これ、俺がよく聞いてるやつだな(笑)
…聞かれると、答えるの難しいね。

5年前の自分に、きっと今の自分は想像できなかった。
だから、今も想像してもきっと違うんだろうね。
ただ、コミュニティや組織や人の課題に対して、何らかのソリューションを提供して関わってはいるね。

– それがやりたいこと、なのですね、きっと。ありがとうございました。

終えてみて

室田さん

普段考えているはずのことばかりなのに、意外と答えられないなって(笑)
インプットが多くて、アウトプットが足りてないことに気づけました。
ありがとう!引き続きよろしく。

Nocchi

weeeks日置さんがきっかけで知り合ったたばちゃん(室田さん)ですが、理想としている世界観が近いこともわかって嬉しかったです。
拠り心が実装されたらぜひ使ってみたいので楽しみにしています!

Profile

室田浩志 / Koji Murota
株式会社ZERO TALENT 取締役COO
1991年生まれ。神戸市出身、同志社大学経済学部中退。
大学2年次に通信代理店営業で個人実績全国2位を樹立。
新規事業部長へ抜擢された後、大学を中退しメンタルヘルス業界で起業。2年後に廃業し上京。
2社のスタートアップベンチャーの立ち上げを経験後、
現在は、取締役COOとして事業戦略や組織構築に従事し、通算1,000名以上の学歴も経験もない方に特化したキャリアのリスタート支援をしている。