※内容は2019年1月時点のものです
自画自賛できるくらい、自分が満足できる質のことをやり続けること。
自信があれば、怖いことはなくなります。
TSUTAYAを辞め、生計のため、様々な事業を起こしてきた山本さん。
権利収入、アフィリエイト、メディア…
Webで稼ぐことを知った彼はいま、不動産事業に惹かれています。
いま
– 現在のお仕事について教えてください。
2005年の末に創業し、モノクリエイトという会社を経営しています。
メディアの製作、アフィリエイトなど。
不動産運用もしています。
– メディア事業なのですね!不動産運用というのは?
空き家のリノベをしています。
色々と悩んだ末、今はこれをすごく楽しみながらやれていますし、お金の面でも安定収入になるので、大事な基盤ですね。
– 株運用などとはまた違った視点ですね。これまでの経緯をお伺いしたいです。
僕は色々なことがあったので、起業まではお話しすると長いんですが…(笑)
会社員の頃から、権利収入、アフィリエイトビジネスを経て、今に至っています。
順を追ってお話ししますね。
これまで
– ではまず、法人起業以前は、どういったことを?
音楽や書籍の販売やライフスタイル企画を行う会社で、物流事業をしていました。
28歳で初婚をしまして。
6畳一間で暮らしていて、お金も厳しいので夫婦共働きという状態で。
お金もいるし、夫婦の時間も確保したい…
一方で、会社の仕事は、時間管理も工数管理も厳しいものだった。
店舗でCDなどを出す時の現場統括をしていたのですが、ファンはリリースを待ち望んでいるでしょう。
朝早くから並んでCDがなかった、届かなかった…といった、在庫管理ミスがあったりすると、レーベル含め、もう、訴訟になったりするわけです。
責任の重い仕事だった。
配送事業が一番重かったのですが、いつも配送をしてくださっていた赤帽の運転手の方に、だったら自分でそれをやってみたらどうかと言われたんですね。
君が赤帽の車を購入して、その配送を管理をすればいいのではと。
– 赤帽の方からのご提案が。
はい、早速、パワポで企画書をまとめて、上に提出してみました。
当時、この言葉はありませんでしたが、いわゆる社内ベンチャー企画というやつになるのでしょうね。
ところが、上からは、「何がしたいんだ君は」と言われまして。
当時、推測ではありますが、若造が何を言っているんだと思っているのだろうなと。
その時、この会社でそのままやっていても、僕には合わないなと感じ、翌日に辞表を出しました。
– すごいスピード感ですね。
もう決意ですよね。
どうしようかなと思いましたが、とにかく稼がないといけない。
– それで起業を?
はい、ただ、当初はメディア事業ではありませんでした。
とりあえず、企画した赤帽の事業をやってみようと思ったのですが、本を色々と読んで勉強をするうちに、「権利収入」という言葉に出会ったんですね。
よくある怪しいメルマガでも見るようになって…
– よくありますね…(笑)
事業としては、今でいうAmebaピグみたいな…
バーチャルアバターでのコミュニティ内で、買い物もできて…という事業の内容だった。
それの営業代理、すなわち代理店業務をしてほしい、といったものです。
当時、ああ、面白い、これはくるなと思ったものです。
とはいえ、僕は、営業をやったこともない。
もう、エイヤです(笑)
すごいですよ、電車の中で隣に座った人から、家電量販店のお兄さんにまで声かけた。
今やれと言われても、もうできません(笑)
– 決意したことで、とにかく実行されたんですね。
そうしたら、やがて、すごい金額が入ってきたんですよ。
これはもう間違いだと思って会社に問い合わせたら、合っていると言われる。
よく調べたら、当時はその言葉も知らなかったのですが、ネットワークビジネスの形態だったんですね。
そして、なんと、成績が1位になった。
– すごいですね!
そこで、どうやったのかセミナーをしてほしいと言われた。
その中で、ある日、聴覚障害の方がいらしたんですね。
その方が内容に共鳴してくださったらしく、聴覚障害の方が300名くらい来てくださった。
ところが、お互いに言語伝達が難しい方々の間で伝言ゲームになるわけで、多くの皆さんの耳に入るころには「この会社に入ったら、簡単にお金がもらえるらしい」みたいな理解になってしまっていて…
障害のある方を騙しているなどと騒ぐ人たちが出てきて、訴訟にまで発展してしまった。
会社の中でも騒ぎになり、テレビ局がやってきた時には、本当に冷や汗でした。
– 正しく理解してもらうというのは、難しいですね…
大阪府警で2週間聴取、訴訟。
当時僕は投資運用もしていたのですが、おりしも、サブプライムショックで吹っ飛ぶ。
もう、悪いことが重なった。
ただ、その時別の事業も立ち上げていて、色々と頑張ったのですが…
39歳の時、香港の講演で、とある方に、結構なことを言われたことがありまして…
その時に、人に頭を下げる仕事は二度としないと誓った。
– 批判者に出会うと、結構メンタル的にきついですよね…
電話帳の連絡先を削除し、引きこもりました(笑)
一方で、経営している会社が2社あるわけで。
どうにかしなければならないと。
当時は、奥さんとも別れていたので時間的余裕があった。
投資顧問をやっていた方の会社で、家にいても集客できるようにしたいと思いまして。
よし、サイトをやろうと思ったんですね。
とりあえず見本ページを作り、知り合いの社長のところを回りまくった。
代わりに作ります、一本x万円です、と。
ところがなかなか儲からない。
– 工数もそれなりにかかりますしね…
ネットで儲けるにはどうすればいいか…
たくさん調べましたよ(笑)
そして、今でいう、アフィリエイトというものに出会ったんです。
営業しない、家から出ない、それでもお金が入ってくる。
なんだこの世界は、と思いました。
– ノマドという言葉すらまだ流行っていない時代に、ネットで何もしなくても収入が入ってくるようになるというのは、衝撃でしたよね。
ASPにも電話してみたんですけど、相手にされない。
それでも何とかして、僕に担当をつけてほしいと、食い下がってみたんですね。
邪険にはされたのですが、アフィリエイター専門塾みたいなのを紹介された。
ここで何を教えてもらったかというと、特別価格というのをもうけて、購買までリーチさせるという手法で。
ああ、こういうのでスーパーアフィリエイターというのはもうけているのかと知った。
ひたすらこもって、サイトを作り続けました。
– ネットビジネスは、作ったものからの自動収入ですから、とにかく作り続けることで資産になりますものね。
売上が上がるようになって、やがてコンサルの依頼が入るようになりました。
どうやって売上をあげるか、セミナーをしてほしいと。
しかし、セミナーを受けて、参加者全員がすぐ売上を上げられると思いますか?
言われて動ける人というのは、きっとある程度もう動いている。
彼ら全員に根気よく伴走し続け、売上をサポートする…
これはなかなかつらい仕事です。
向いている人もいるのだと思いますが、僕には彼らに向き合い続けるというのは無理だと思った。
自社の仕事を強化していく方針に決めました。
– 自分の得意分野に専念することにしたのですね。
とはいえ、メディアというのは怖い仕事なんですね。
Googleのアルゴリズムが変わるだけで、収益がふっとぶわけです。
僕も2度くらい飛んだことがある。
本当に、ハイリスクハイリターン、です。
起業するにはもってこいですよ(笑)
– なかなか怖い業界ですね…
とはいえ、当時、奥さんと子供もいた。
どうにか安定収益を作りたい。
そこから始めたのが、不動産運用です。
お金が入ってくるようになったので、恵比寿に住んだりなんかしてみた。
ホテル、コワーキング、デパート…いい空間に多く触れるようになり、住環境によって、心が豊かになるのだという肌感を得ていた。
そこでリフォーム事業をやろうと思ったんです。
心地いい環境を作れば、人は満足度を得るはずだと。
– なるほど。インテリアコーディネートなどもそうですが、住環境の与える影響は大きいですよね。
難しさとして、資金力があります。
最初に不動産を押さえるので費用が結構かさみます。
銀行融資も、こういう事業者に対して結構厳しいわけです。
最終手段としては、現金で買うしかない。
でも、それが、買値よりも高値で回せるかの確証はない。
一発勝負なわけです。
悩んだ末、去年の8月に専門家のセミナーを受けたんですね。
ここで、自分がやりたかったことに出会ったんです。
[ 空き家活用セミナー ]
– それが空き家活用ですか?
そうです。
セミナーでの紹介をそのまま活用したというよりは、僕はそれをきっかけに、自分のやり方を見出したのですが…
ちょっと辺境の地の住宅を購入して、リフォームして、少し高い家賃で出す、という戦略を取っています。
この事業が軌道に乗ってきまして、基本的なお金は賄えるくらいになりました。
[ 山本さんが手がけた物件の一例 ]
– 私もお誘いはよく受けるのですが、不動産はお金がかかるので手を出すのが怖かったりしますが、どうやっていくのがよいのでしょう…
そうですね、お金は最初のハードルです。
相場観も知っていないといけないし、住み慣れた土地ではない場合、その土地で売りに出したときに買い手がつくかといった感覚もないから、本当に勇気がいる(笑)
自分で物件を見に行くことも必要だし。
でもね、言えるのは、どうとでもなる、ということ。
– 赤字を出さないコツがあるということでしょうか。
一つは、例えば、家賃相場というのはある程度決まっていますよね。
都心でなければ、大体、5万円くらいでしょうか。
学生さんや、お金になかなか余裕がない人でも出そうと思えるライン。
つまり、これを4万円くらいで出してしまえば、入居者というのは確保できるのですね。
– 買い手は確保可能だと。一方で、初期費用をペイするまでが大変そうですが…
そうです。では、次に何を考えるか?
その家賃を賄うには、いくらで買えばいいのか?
その金額の物件はどこにあるのか。
– 逆を言えば、特定の条件下で、ペイできる物件というのは絞れるわけですね!
そうです!
あとは、人が入りたいと思う内装を手掛けられるか、ですね。
-なるほど〜! 内装をするときのコンセプトというのは?
僕自身が住みたいか、ですね(笑)
多くを見てきてからこそ、心地よさというのは体感できていると思います。
出せる金額の分析は必須ですね。
あとはもう、やるしかないです(笑)
上手くいかなかったら、自分の設定が甘かったということだけだから。
– 分析がとても大事ですね。
価値観
– ご自身の生まれ持った天命とはなんだと思いますか。
天命…ミッションね。
僕は、それ、ないと思ってます(笑)
若いころってそういうこと言う人って多い。
探している人が多いからね。
でも、これって、やりきらないとわからないのです。
それでも、これは自分の天命だからというのを最優先して動いていると、それが変わってくる時がある。
そうすると、結局、自分の天命ってなんだっけ、という迷いのループに入る。
だから、天命を探すことが大事なんじゃないんですよ。
目の前のことに、天命だと思えるくらい打ち込めることが大事なんだと思う。
– そうですね!決められた何か一つというより、実態としては、自分が情熱を持って打ち込めることが何か、今自覚していますか、ということかもしれません。
僕の肌感だと、天命やミッションという言葉の向こうに、社会や人への貢献という言葉が透けて見える。
でもね、そこにたどり着くまでに、自分のお金とか生活って絶対大事なわけです。
耳触りのよい言葉だけでは人生成り立たないのだったら、今やっていることで、人の役に立つまでやりきったほうが、意味があるのではないかと。
僕自身がそういう迷いに出会ってきたので、そう思うところもありますが(笑)
昔は、下心をもっていろんなことに臨んでいた。
ミッションだとか、お金だとか、そういう雑念。
でも今は、自分の目の前にいる人に全力でできることをしようと、そういう気持ちでいます。
– なるほど。働くということと、お金を作ることというのは、同じようで違うものですが、そこはどうお考えでしょうか。
全て、手段だと思うんです。
自分がライスワークにしろ、ライフワークにしろ、何かを選び取る時、一体どうやって決めたらいいのか。
一番の決め手は、自分がそれに打ち込めるかだと思います。
お金の方を向いて動くこともできるんですが、そこだけ見て動くと、他の事が崩壊していくと、経験値で思う。
一方で、最低限、自分が望む生活レベルは絶対に確保すべきです。
それもおろそかにするとやはり崩壊する。
だから、その状態で使える時間を、自分が本当に打ち込めることに、まず投入してみる。
アフィリエイトでもいい。
不動産でもいい。
もちろん、起業でもいいです。
大体ね、手探りで始めたことなんて、間違ってることが多いわけですよ。
試行錯誤するのだから。
– それでいくと、副業は流れに沿っているように感じますが、解禁すべきだと思いますか?
思います。
会社が、個人の思想や意見を縛る権利なんてない。
ただ、もちろん、人によっては、そっちのほうばっかりに頭がいってしまう人というのはいるので。
そこはマネジメントの能力と、仕組みが試されると思いますよ。
最終的には従業員さんの自己管理にはなりますが。
– 評価の問題は度々話題に上がりますね。ご自身では従業員の方に対し、どういった評価制度を作っていらっしゃるのですか?
これは難しいですよね。
僕にも最適解はわかりません(笑)
でも、会社員の場合、入社した会社に対して、評価制度を変えろというのは、難しいわけです。
業種によっても、職種によっても違うし、そもそも一従業員のために制度を変えるのは厳しい。
そうなると、自分の納得できる評価制度の場所を選ぶ、という話なんじゃないかなぁ。
– なるほど…!確かにそうですね!
それでも嫌なら起業するしかない。
人は変えられない、外に不満をぶつけても仕方がない。
矢印というのは自分に向けるものですよ。
これから
– いま5億円もらったらどうしますか。
うーん、不動産を買いますかねぇ…(笑)
特にスタンスは変えないと思います。
– 不動産のお仕事、きっと、お好きなのですね。
そうだね。
僕は、不動産買って、リフォームして、人が喜んで買っているのを見るのが、もう、喜びなのです。
あ、メディアの仕事も好きですよ。
でも、始めた当時はお金がなかった。
他に悩むことがたくさんあって、楽しくはやれなかったです。
そこがきっかけで手を出した不動産事業ではありますが、もうこんなにハマるとは思いませんでした。
– 本当に楽しそうです…!自分が老後になった時の想像ってされていますか?
身体が動くうちは、それが不動産かはわかりませんが、仕事をし続けていると思います。
仕事という行為が、きっと好きなんでしょうね。
リフォームで木とか擦ってるの、ほんとつらいんですよ(笑)
でも、ニス塗ってぴかぴかになってるとみると、もう気持ちよくて仕方がない。
思い描いていたものが、形になる過程、瞬間。
そこに喜びを見出しています。
それが好きな間はやり続けるだろうし、他に好きなものがでてきたら、きっとそれをやるのだと思います。
とはいえ、対価をもらうのが仕事。
だから、作ること自体よりも、作ったものがどれほどの価値を社会からつけてもらえるかがきっと根本なんだね。
自分の中にその目途はあって、それが期待通りか、期待を超えるか。
そこにつきると思います。
– ありがとうございました。
終えてみて
山本さん
普段インタビューはお断りしているので、不思議な感じでした。
とはいえ、仕事で一緒になった若い子たちから人生相談を受けて似たような話をすることはあって(笑)、この記事でも、僕の話が、若い子たちのためになればいいなと思います。
死にはしないので、あきらめないでいてほしい。
若いころは、素直さと自分に対する悔しさをバネにするだけで、きっと、なんとかなります。
Nocchi
目からうろこのお言葉も多く、大変学びの多い回でした…!
天命を追いかけるのではなく、目の前のことに没頭すること、夢中になれるものに情熱を注ぐこと…とてもよいお話でした。
簡単に、ライスワークを捨てるなというのも、現実味のあるアドバイスだなと。
不動産事業もそこまで馴染みがないので、とても勉強になりました。
Profile
山本英雲 / Eiun Yamamoto
1973年生まれ、岐阜県出身。
有限会社モノクリエイト代表。
TSUTAYA(CCC)を退職後、権利収入事業で営業1位の成績を出すも、メディアで騒ぎになり引退。
その後経営する投資顧問会社のWeb集客をきっかけにアフィリエイトをスタート。
メディア事業の収益性のボラティリティを懸念し、新たに始めた不動産事業でリノベ事業の楽しさに目覚める。