※内容は、2019年5月時点のものです
オンラインスキル販売プラットフォーム、TimeTicketでコミュニティマネージャーを務める大底さん。
プロダクトを作る側にいなくても、コミュニケーションスキルで、チームと一緒にサービスを成長させられることに喜びを感じると語ります。
大学で地理を専攻し、新卒でジャパネットたかたに入社した彼女が今に至るまでの経緯とは。
“もの・こと・ひとをつなぐコミュニティスポット”になる、と掲げています。
私に相談してくれたら、その人の本質的な課題が解決するような存在でありたい。
いま
– 大底さん、今なさっていることを教えてください。
オンラインスキル販売プラットフォームのTimeTicketで、コミュニティマネージャーをしています。
[ TimeTicket ]– 運営会社のグローバルウェイさんは、コーヒーミーティングも手掛けられたのですね。私、かなり初期から使っていました!
そうなのですね!
(創業者の)山本大策さんにぜひお伝えしてあげてください(笑)
(※オフィスでインタビューを実施したので近くにいらっしゃいました)
-大底さんは今、コミュニティマネージャーとして、どういうお仕事をされていらっしゃるのでしょうか。
我々はコワーキングスペースを保有しているわけではないので、サービスのコミュニティマネージャーになりますね。
ユーザーさん向けに、TimeTicketを愛用いただき、今後どう一緒に発展させていくかを考えるお仕事になります。
– Peatix japanでコミュニティマネージャーをされている白勢さんも、”愛着を作る仕事”とおっしゃっていましたね。
そうかもしれないですね。
[ Vol.35 – 白勢 竜彦 / 全ての人を主催者に – Peatix Japanコミュマネの僕が願う世界 ]具体的なお仕事としては、イベント運営が多いです。
それこそPeatixでイベントを立てて、月1回の交流会をやったりしています。
企画、開催、運営がメインですね。
– co-ba shibuyaの吉田さんも同じ感じでしたね。
[ Vol.33 – 吉田めぐみ / ”自分”を探して旅に出た私が、co-ba shibuyaのコミュニティマネージャーになるまで ]今はだいぶフォロワーさんが増えたので、ありがたいことにご連絡すると結構な人数の方がご参加くださるようになりました。
初期はやはりオーガニックだとなかなか集まらなくて…
個別にユーザさんに声をかけていまして、集まる人数も50名に声かけて5名とか(笑)
– ゼロベースの初期は大変ですよね。
今は知名度も上がり、プラットフォームとして定着してきているのかなと思います。
– イベントの業務は、どういったゴールがあるのでしょうか。
はい、まさに今、次のフェーズへ行こうとしていて。
コミュニティをビルドする、みんなが参加してくれるようになる、ここまできた。
なので次は、巻き込んでいって、自走させるということになりますね。
– ”自走”は、Polaris Night #1でも出てきたフレーズでしたね。
[ Polaris Night #1 開催レポート ]まさに、この時登壇していた、ぐみちゃん…吉田さんの影響もあって。
彼女がコミュニティマネージャーをしているco-ba shibuyaでは、ユーザさんがイベントを企画して開く、というステップに進んでいます。
TimeTicketも今それをやろうとしていて。
もともとTimeTicketは、自身のスキルの価値を可視化して、それを人に提供するというプラットフォームなわけなので、企画・運営が得意な方が集まっていらっしゃるんですね。
– いろんなアイデアが出てきそうですね。
実際、恋愛相談からビジネスコンサルティングまで、幅広いスキルシェアが提供されるのがTimeTicketの魅力でもありますしね。
サービスの特徴としては、TimeTicketは1対1なんです。
でも、今やろうとしているのは、TimeTicketの複数ユーザーへ向けた集団イベントなので、異例というか、スピンオフのような立ち位置になりますね。
– 新たな試みなのですね。
はい。
ゼロから立ててもいいのですが、やはり初期集客で苦戦してしまうのが見えているので、もうTimeTicketのコミュニティに告知できるようにしたほうが効率もいいということで、その立て付けで進めています。
– どういった内容でご検討されていらっしゃるのですか?
6月に初回をやります。
最初は、セールスコピーライティングをやろうかなと。
Web集客の時には特に必要ですし。
– まさに集客に直結するお話ですね。話を聞きたいというユーザーさんは多そうです!
特にTimeTicketというプラットフォームで販売するのは、モノではなくサービスでしょう。
必要だから買うAmazonや楽天などのEC、安いからそこで買おうという中古品販売、オリジナル商品を求めるクラフトマーケットのminneさんなどとは、購入者のニーズが異なる。
意欲に直結する。
すなわち、具体的な効用をしっかり訴求しないとお客さんは買おうと思わないのですね。
ユーザさんの一人にそういうことができる人がいらっしゃるので、それを開こうかなと企画を進めています。
それ以外だと…恋愛コンサルとかですね(笑)
-私もこの間登録してみたのですが、結構、恋愛コンサルのチケットは多いですよね。
そうなのですよね(笑)
ペアーズの写真撮ります!とか、いいね!が集まるプロフィールの書き方だとか。
– いつの時代も、モテたいというのは普遍的な欲求なんですね…
面白いですよね。
もう一つTimeTicketの特性として、対面で接することにあります。
この企画も対面で集まることになるので、そこで生まれていく化学反応を見ながら、今後の方針を考えていく感じですね。
– やらないとわからないですからね。実際にこのお仕事をされてみていかがですか。
とても面白いです。
そもそも、コミュニケーションスキルというものが、仕事になるんだという、驚きや喜びもあります。
– 確かにそうですね。
私はエンジニアでもデザイナーでもない。
サービスを生み出すことはできない。
でも、コミュニケーションスキルで、好きなサービスを一緒に作っていくことができるのです。
– 改めて、素敵な職種ですね。気を付けていることなどはありますか?
重要だなと思っているのは、ユーザーさんとのコミュニケーションですね。
コミュニケーションが仕事なので、まず信頼されないと、相談を受けないじゃないですか。
恋人や親友には何でも話したくなる感覚と同じ。
– たしかに、喧嘩している相手に、なにか相談しようっていう気は起こらないですもんね(笑)
まずは仲良くなること、相手を知ることですね。
そして、うまくいっているときはいいのですが、大変なのはトラブルの時。
TimeTicketの場合ですと、例えば、売り方に困っているだとか、お客様とのトラブルがあったとか。
間に入ったりしています。
感情面の聞き取りも、ファクトの確認も両方行うので、温かく話を聞きながら冷静に問題を解決していくような要素が求められますね。
どこまでをコミュニティマネージャーの仕事と定義するかは事業体によると思いますが、私の場合はCS(カスタマーサポート / サクセス)まで含まれているようには感じます。
– 最近、私の中では、コミュマネという仕事は、「めぞん一刻」の管理人さんだなぁって。あ、知らないですか?(汗)あとは寮長さんとか、保健室の先生とかですかね。
そうそう、サードプレイスなんですよね。
しかも、それは場所があるだけではだめで。
そこにその人がいてくれるから、そこに行こうと思える。
保健室に、保健室の先生がいなかったら、きっと行かなくて。
場所じゃなくて会いに行ける人、なんですよね。
私の子供のころの夢が保健室の先生だったので(笑)
-あ、私もでした(笑)メンタルケアを行う以上、大変なこともありそうですが…
そうですね、情報と感情の交差点にいる仕事。
夜であろうと時間は関係なくトラブルは起き、ユーザさんがパニックになっているときには迅速な対応こそ安心につながるので、「今は定時ではないから」という考えの方にはあまり向かないのかもしれません。
私は結婚しているのですが、旦那さんとゆっくりしているときに連絡がくることもありますし(苦笑)
-これが苦痛な方と平気な方がいらっしゃると思うので…そもそもコミュマネという職に惹かれる時点で、それができるのかなというのはありそうな気もしつつ。
そうですね。
あと考えているのは、「コミュニティの良質化」です。
co-ba shibuyaなどは入居前に面接をしているので、メンバーの性質が最初からある程度選定されているんですね。
でも、TimeTicketは門戸が開かれた状態で、何かあったらそこから選定する状態。
– あー、この話はPolaris Night #2でしたいです(笑)
そうですね、オフレコ向きですね(笑)
– コミュニティマネージャーは今後増えていくのですかね。
コワーキングスペースの常駐型が一番わかりやすいですが、サービスのコミュニティマネージャーも出てきましたよね。
実態としてはユーザ様間の交流、PR、CSなどとなってくるので、広報やマーケティングの方が兼任されていることも多いですし、どのフェーズでその肩書の方を置くかというのは、各社の状況によるのではと思います。
これまで
(大学時代、アメリカに行かれた時の写真)
– 子供時代、学生時代。
幼少期かぁ…
私、0歳保育で保育園に入っているんですね。
-おぉ、4-5月生まれ、とかなんですか?
いや3月生まれだったんですけど、2か月後くらいには入ってて…
-首座ったかな、くらいの時期ですよね(笑)
園の中でも最年少だったらしいです(笑)
女性の産休・育休にはまだ理解の少ない時代でしたが、母は働きたいタイプで。
私の記憶も、母親とべったりというより、社会の中で育ったという感覚のほうが強いです(笑)
– 幼少期からサードプレイスを持たせると社会性が育ちやすいという話は白勢さんの話でも出てきましたね。
よく愛情の欠如が懸念として挙げられますが、少なくとも今は、母の愛情が少なかったとは私は思わないです。
母が、子供が嫌いでそうしたのではなく、自分の人生にプライオリティをおきながら、全力を尽くしてくれたというその姿勢を、私は理解できた。
お母さんが嫌いな子供はいないので、本音はちゃんと届くのではないでしょうか。
– 常に一緒にいるから必ず承認欲求が満たされるというものでもないでしょうしね。そもそもいつか本人も子供をもつかもしれないのだし、遅くともその時に理解できるような気もします。
小学校の時は…行くのが嫌になっちゃったときがあって。
保健室とか図書館に行っていました。
保健室の先生が「ここにいていいよ」とか「そろそろ教室にいってみたら」とか言ってくれたのですね。
– サードプレイスが精神安定になった原体験、なんでしょうね。
すごく不安でしたが、教室にいざ戻ってみたら、みんなは「どうしたの?待ってたよ」と受け入れてくれたんですね。
ああ、自分が思い悩んでいたことってそんなに意味はないんだなって。
自分も「不登校になったら、みんな私のこと心配してくれるかな」と思ったところがあったのかもしれません。
– 注目してほしかったんですかね。
そうなのかな。
家庭の事情でいけば、私の幼少期、父親が今でいうモラハラ(モラルハラスメント)のような態度をとる人で。
私はこういう状況に置かれているのに、なんで、みんなは楽しそうに普通にしているの、っていう澱みのようなものがあったんです。
-ギャップは下からしか見えず、それを誰も助けてくれることはないですからね。
そう。
乗り越えた人にしかそれは言えないですけどね、最中はつらすぎて(笑)
– そうですね…他人への期待を捨てなければならない、あの瞬間はつらい。ものすごく孤独なので。
私は、そのギャップをどうすればいいかわからなかった。
担任の先生には言えないじゃないですか、家庭に連絡せざるをえないだろうから。
-別にそんなこと望んでないんですけどね(笑)
それでもこの気持ちは、私の中でひとつのモチベーションになったんです。
父は高卒だったから、私は大学に行こうと思った。
超えてやるのだと、決意をした。
– 負の感情のほうが長続きしますからねー。課題がずっと目の前にあるから、解決するまで自分が幸せにならないのがわかってるので…。
望んで得たものではなくても、結果的に自分が育つきっかけにはなりますね(苦笑)
そういった背景があったので、その分、今つらい人の気持ちがわかるというのは大きいと思います。
– 同情も共感もいらなくて、そういう人であるという理解と、変わりたいということをただ認めて応援してほしいっていう、あれですね。
私は家庭というコミュニティ内のカーストでは下だったけれど、学校というコミュニティではそんなことはなかった。
この原体験があるので、ほかの方にも、コミュニティさえ変えれば、カーストは変わるというお話はします。
– だからコミュニティを複数持つ必要があるのか。変わることは必要かもしれないですが、故意に自分を傷つけるコミュニティに固執する必要は別にないですしね。
そうですね。
そのあとですが、中高生時代は運動に燃えました。
ただ…私は実は、喘息持ちで、ちょっと運動すると死ぬんですよね(笑)
– では、大変なほうに、あえて挑戦しにいかれたのですね。
最初からそういうチャレンジングな気持ちではなかったんですけどね(笑)
体育きついなって思ったら、喘息っていえば行かなくてもいいからラッキー、くらいの。
-(笑)
姉がいて、彼女はとても真面目な人で。
あなたのそういう態度は真摯でないといったことを言われ、私も反省をした。
そこで、中学三年生の時に、バレー部のマネージャーになるんですね。
– お、おお…バレー部。そしてマネージャー。
プレイヤーはさすがにちょっとねと。
この部を選んだのは、鬼コーチがいたから。
私は、運動能力で勝負するのではなく、選手へのメンタルコーチングで、この鬼コーチを超えてチームを変えるという挑戦をすることにしたんですね。
– 大底さん…負けず嫌いだし、戦略家だし、好奇心旺盛で、しかもかなりのDoerですね(笑)
ええ~、私は真面目だし、”普通”を目指しているのですが(笑)
– いや、充分かと(笑)そのチームはどうなったのでしょうか。
実際にプレイヤーが変わっていくんですよ!
保護者の人たちも私にいろいろ言いに来るんですよね、昨日あんまり寝てないっぽいとか。
なので、あのプレイヤー今日調子悪そうだな、となったとき、その背景をコーチは知らないけれど、私は全部知っているわけです(笑)。
– ”お母さん”や(笑)なるほど、心理的安全性を作り出したのか。
そんなことをしていたら、チームが市内で3位までいったんです。
そして、私個人が、とある大会で表彰されたんですよね。
ベストスマイル賞という、手書きの賞なんですけどね。
プレイヤーではない立場の人がチームの勝利に貢献したことが評価された瞬間だった。
– う~ん、かっこいいですね!
高校はハンドボール部にいきました。
しかもプレイヤーで、キャプテン!
– …喘息だったような…(笑)
病気の勝ち方を学んだのです!
医学的には証明されていないのでおすすめしませんが(笑)
私がキャプテンになったことに、鬼コーチも泣いて喜んでくれたんです。
-なるほど。結果を目に見せることが、一番響くのですね。
体育祭の実行委員長もやりました。
人徳がないと選ばれないから、部活で地道に人脈と信頼を築いていった。
人に選ばれるという嬉しさは、ひとしおですね。
-特に人徳で選ばれる場合は、本当にすごい評価ですからね~。
企画も手を抜かなかった。
参加者すべての満足度を上げようと思ったんです。
基本的に、実行委員会たるもの、昨年のものを踏襲すれば運営は可能じゃないですか。
でも、例えばプログラムに30分の空白があったりすると、せっかく時間を作って足を運んでくれた関係家族の時間がもったいない。
だから、地域住民をまきこんだじゃんけん大会とかを企画したり。
– 意思決定と行動が、自分によって行われている感がすごい。
コミュニティマネージャーにおいても大事な要素だと思います。
天性の明るさで、無邪気に、すべてに共感していたら、妥当な決断と行動はとれない。
相反する冷静さと共感性を同居させられるか。
意思決定を自分でしているか。
-日本人の教育に一番必要な要素ですね。大学受験はいかがでした?
ひとつのことに熱中するタイプだったので、好きな科目を極めようと思いました。
高校の時に地理選択だったのですが、理屈を知るのが好きで。
地球で起きていることのベースはおおむね地理なので。
– この思考を持つ人は歴史と物理にいきそうですが、地理にたどり着くのが面白い。
長崎の片田舎に暮らしていた分、世界を見たいという気持ちも強かったのもあるかもしれません。
私の通っていた高校には英語コースがあったので、当初はそちらに行こうと思っていたのですが、地理が好きすぎて。
ただ、歴史を専攻していないと英語コースに行けないといわれて。
今考えるとこれもおかしいんですけど(笑)
– おかしいですね(笑)
地理と英語。
どちらかを選ぶとなったとき、英語はツールだと思ったんです。
地理を学ぶ上で英語が必要になったら、私はきっと、自力ででも英語を習得するだろうと思った。
– モチベーションが地理のほうだったと。
女性の中で、地理好きはすごく少ないんです。
だから、おもしろいんだよって、めちゃくちゃ宣伝しました(笑)
テストここ出るよ、とか。そして言ったところが本当にテストに出て、平均点も上がるし、そうするとみんなも授業うけるのが楽しくなっていく。
– 私も地理B、数学ⅢC、物理でした。女子いないですよね~(笑)
ね。楽しくなる空気づくりをしました。
地理の授業をうけるのが楽しいから学校に来るという子すら、いた。
-天性のコミュマネというか、マーケターというか(苦笑)
数学など理系科目は苦手だったので、地理を使う学部を探していて。
そうしたら、学校の先生から、AO入試で、地理を使う広島大学文学部を推されたんですね。
授業を見学できるよと言われてついていったらテストがあって(笑)
だまされたなとは思いましたが、これがすごく楽しかった。
で、結果も受かってて。
– おお、すごい。
2次試験はフィールドワークで、身近な河川について調べなさいというもの。
体育祭の時期とかぶっていたので、体育祭終わってからフィールドワークのレポートまとめをしたりして、帰りも遅くなって…
何やってるんだろうって、つらくなって泣いたりして(笑)
– 10代っぽいな~(笑)
担任の先生から、地理のほうを優先するなら体育祭を降りろと言われたのですが、先に決めたのはそちらだったから譲らないと宣言した。
予行練習の日が入試の日になってしまって、仕方がなくて予行練習は服実行委員長に託して。
帰りの新幹線でずっと実行委員長のスピーチを考えたりして(笑)
広島大学の受験で「一番つらかったことを挙げてください」というものがあったのですが「いや、今です」と回答して(笑)
– 何が一番つらかったですか。
基本、全部が調整なんですよね。
AちゃんとBちゃんが喧嘩してて、それの調整みたいな(笑)
– それが嫌だった?
いや、それが違っていて…つらくても、これが好きだなって思ったんです。
さっきまですごく怒ってた人たちが、私が間に入ることで、いまは解決している。
衝突だって、情熱のぶつかりあいで揉めるのなら、私が折衝することで、その情熱をのばしてあげられるのかもしれない。
– うんうん。
学生の時期だと、先生と生徒の間の存在だったのだと思います。
象徴的な事例があって、修学旅行で男女部屋って別だったじゃないですか。
でも、私が責任とるので、男女の行き来を認めてくださいって言ったんです。
許可してもらって、みんなでトランプしたりして、結果的にすごく楽しかった。
– 両者の信頼を得る方法を知っているのですね。広島大学はいかがでした?
受験で受かったのは女の子2人で、彼女らとは一生の友達になれるなって思ったんです。
大学は自分の意志で選択してくる分、好きなことでつながれるコミュニティになっていく。全国から地理好きが集まってる。
フィヨルド見に行こうとか、カルデラ見ようとか。
そして、それはとても楽しかった。
– いいですねぇ。
女子3人で、海外の研究もしたいよねとなって。
教授に頼んで、アメリカ西海岸の断層を調査しにいきました。
何度頼みにいったかわかんない(笑)
– 目的のある交渉は意志がないとできないからなぁ。バイトはされたのですか?
本屋さんでバイトをしていました。
本ってどこにいっても同じものがあるけど、この本屋で買いたいって思われたかったから、すごく工夫した。
他社の店舗のレイアウト研究までして、女性誌コーナーをまかされたりした。
– 経営考えてる(笑)
女性は人が集まっているところによっていく傾向にあるので、本屋というのは、女性誌の立ち読みが外から見えるようにデイスプレイするんですね。
だから立ち読み用の見本誌をおいたり、ふろくを展開したりした。
手帳コーナーでポップ描いたりね(笑)
OLさん向けだとか学生さん向けだとか。
で、書いた通りに売れていくんです。もう、おもしろい。
– ヴィレヴァンとかで重宝されそうだなぁ…
[ 遊べる本屋 – ヴィレッジヴァンガード ]もう一つ個人的に大事だった経験があって。
大学の研究室で、ちょっといいリポビタンDをよく飲んでいたんです。
すると、みんな、深夜の作業でそれを飲みたいけれど、コンビニに行くのは面倒だから売ってくれないかという。
そこで、スーパーで安めに大量購入して、コンビニで深夜価格で300円くらいだから、250円で売るっていうことを始めた。
そうしたら、他の研究室からも問い合わせがくるようになった(笑)
– 意図しないで始まったレモネードスタンド(笑)
[ おさるのジョージ ]買いに行くのがめんどくさかったから、すごい助かる~って。
モノを売るという行為が、需要と供給から出来ていることを知った。
就活では、自己分析もせずに面接を受けていたのですが、この話はめちゃくちゃ受けが良かったです(笑)
– 経営ですものね(笑)。就活はどのような。
旅行会社に行きたかったんです。
JTBとかHISとか近畿日本ツーリストとか。
でも不思議とうまくいかなくて、旅行会社で働くためにそれまで地理を勉強してきただけにかなり落ち込みましたね。
どうしようかと思っていた時、母が、地元の企業であるジャパネットたかたを勧めてきたんです。
4次試験くらいまであるんですけど、トントンと、受かって。
志望していた旅行会社の面談も進んでいたのですが、最終面談で聞かれた項目はすべてYESでないと受からないと知っていて、私はNOと答えたものがあった。
その時、「あなたはここで落ちますが、その正直さはきっと今後のビジネスで役立つと思います」と言われたのを忘れられません(笑)
– でも落とすんですね(笑)そうやって受かっていった人たちは、本音で答えてないから辞めていくんでしょうけどね…
地理が好きで旅行業界にいかないのは、自分の中でも違和感があった。
でも、何かを俯瞰して、おもしろいものに携わるという意味を見出して、ジャパネットたかたに就職することを選んだ。
– どういう仕事があるのですか?
入社時にTVショッピング事業がいいと言っていたのですが、MC(マスターオブセレモニー)の職種に受かっちゃって。
でも周りはアナウンサー候補みたいな子たちばっかりなんですよ。
– テレビに出て、商品紹介する仕事ですかね。
はい、嬉しかったのですが、緊張して全然うまくできませんでした…
そんな時にAD(アシスタントディレクター)の部署があることを知り、そこで商品企画をすることにしました。
電子辞書、洗濯機、冷蔵庫、布団…様々な商材を扱った。どんな商品の勉強も好きでした。
髙田明社長とずっと仕事できたのもよかったです。
「あなたにとっての当たり前は他の人にとっての当たり前とは違う」、「客観的に、顧客からの視点でものを判断して」ということを言われて。
一緒に仕事をできた3年間は私の一生の宝です。私がビジネスに迷った時に立ち返るのは明社長の姿ですね。
そんな明社長退任の時期に、ちょうど東京に転勤になり、バイヤーの仕事をさせていただけることになって。
バイヤーは、ものすごい花形の職種なんですけど、私には在庫の管理と販売の調整などが大変でした。
-大変そうですねー。
そうですね。モノを売ることはとても好きだったのですが、バイヤーを経験したコトで在庫が発生しない無形物=サービスを売りたいなって思うようになりました。
– それでTimeTicketに(笑)
はい、ちょうど東京にきていたし、交流会にたくさん参加していました。
そこでスキルをもっている人たちにたくさん出会って。
カラー診断だとか、写真が撮れますとか、ボドゲ(ボードゲーム)をやってますとか。
-いるいる(笑)
なぜ、このスキルを持った人たちが評価されるスキームがないんだろうと疑問が湧いた。
イベントをやるときの集客のお手伝いとかをしていたら、お金を払うよと言ってもらえることが出てきて。
そういうつもりでやっていたわけではないのですが、スキルを売ることって仕事になるんだということに気付いた。
で、それを友達に相談していたら「それってTimeTicketなんじゃない」って言われて、調べて、翌日には電話して(笑)
じゃあすぐ会いましょうってなって、カフェで面談して、代表と面談して転職しちゃいました。
-陳腐な質問ですが、ココナラさんとか、ストアカ(ストリートアカデミー)さんもオンラインスキルマーケットとしてあるじゃないですか。
べたなこというと知らなかったんです(笑)
でも、知っていたとしても、私はきっとTimeTicketを選んでいた。
ユーザとタレントの対等さ。スキルの多様さ。
1対1で、しかも対面。
対nコミュニケーションは、ユーザ側の評価がかならず多様化するので少し疲れますよね。
– しっくりくる仕事にたどり着いたのですね。
価値観
-今一番情熱を注いでいること。
TimeTicketを通じて作りたい世界観があって。
それは、「個」の生きる力を高めること。
それが一番効率的にできるのが今の職だし、自身もTimeTicketを売ってそれで副業できているので満足しています。
[ 大底さんのTimeTicketはこちら! ]-所属先のプラットフォームで自分の価値も、周りの価値も高めていくという、いい循環ですね。ご趣味は。
今は、人に会うこと。
以前は本を読むことだったのですが、TimeTicketに出会ってからは、本よりも人に会うほうが情報が新鮮だし多いと思うようになって。
本って、出版までにタイムラグがありますし。
– 本人からや現場で見聞きするのが1次情報なので、それほど面白いことないですからね。
はい、なので旅行も好きです。
多様性に飛び込んで、自分が「マジョリティ」じゃなくなる体験。
ただ、観光名所に行くよりも人に100人会うほうがずっと面白いと最近は感じていて。
東京にいるだけで無数の人に会えるので、それをすごく啓蒙はしている。
– 狭いのも利点なんですよね、東京。お気に入り、おすすめのサービス。
とりあえずTimeTicket!そしてPeatix(笑)
交流会というものに全く接点がない人にはPeatixをすすめてます。
気になったものにとりあえず行ってごらん、って(笑)
LIFE SHIFTでも、人工知能でもいい。
たくさんの学びが、スキルマーケットにはある。
「なんでそんなことにお金を使うの」っていう人もいますが、あなたはその分、経験を逃していることを言っています。
投資して、経験しないと見えない世界はある。
その一歩を踏み出さないことで見えないものが、どれだけあるだろう、と。
これから
– 今年やりたいこと。
自分のブログかメディアをやりたいです!
-あ、noteじゃないんですね。
[ つくる、つながる、とどける – note ]WordPressとかでやるかは迷ってます!
どちらがいいんですかね?
– noteはブロガー感がありますが、独自ドメインでうちみたいに複合メディアにすると、サービス色は強くなると思いますよ。
なるほど、そうですよね。
私が自分でもTimeTicketを売って副業社員をしている様子だとか、自分の生き方をみんなに発信していきたいという気持ちがあります。
副業の第一歩としていいですよね。私も受託ではない初めての副業は、NAVERまとめとココナラでした(笑)
[ NAVERまとめ ]副業も、すべきという価値観ではないんです。
無理やり、こっちにおいでよというつもりはない。
わからない人たちを説得するのは大変だし、彼らもそれを望んでいない。
ただ、楽しそうなコミュニティに人は集まると思っていて。
中がどれだけ楽しそうかに注力したほうがいいな、って。
だからそれを頑張りたい。
– これからの日本。
過渡期だなって、思います。
ただ、強みも存在していて、それは道徳心。
例えば、こんまり先生の理論って、東洋の思想で。
ないことに美しいと感じる思想。
これがアメリカで受け入れられる。
彼女の思想に共感するコミュニティが思想国家になる。
日本はもともと教育水準が高い。
世界を変える思想を輸出する、それを生み出す国である。
資本主義ではない戦い方を、しかけてもいいのかなと思っています。
-いいですね。ありがとうございました。
大底さんが登壇されるイベントはこちら
コミュニティの主旨とちょっと違う方がいらっしゃった…
みんなの悩み相談に乗るのがコミュマネだけど、自分の相談は誰にすればいい?
人徳や相性こそスキルのこの職、育成と採用ってどうする?
コミュニティをまとめていくにあたりつきまとうこの課題。
経営者、マネージャー、NPOなどでの活動でリーダーを務める方などに役立つイベントです。
終えてみて
大底さん
楽しかったです!
私の記事を読んで一人でも何かやってみようと思う方がでてきたら幸いです。
Nocchi
大底さんが面白かったです(笑)
これくらい自分で意思決定する力と行動力がある人が増えたらもっと世界は変わるでしょうし、それをTimeTicketというコミュニティを通じて彼女が実践していくのだろうなと感じました。
引き続きご活躍をお祈りしております!
Profile
大底 春菜 / Haruna Osoko
1991年 長崎県長崎市生まれ、広島大学出身。
2013年 株式会社ジャパネットたかたに就職、テレビショッピングのMCや企画や制作を担当。
2016年 合計100万円以上かけて自己投資。
2017年 TimeTicketコミュニティマネージャーに転職(CS、コミュマネ業務を担当)
2019年 TimeTicketで副業中。
(タイムチケット販売枚数300枚以上、購入枚数100枚以上2018年の年間売上11位)
世の中の「もの」「こと」「ひと」を繋ぐひとでありたい。