”グリーン豆”の春日井製菓が開催する”スナックかすがい”とは?潜入レポートをお届け

Polaris Night #4でも特集したソーシャルバー&スナック。
お菓子メーカーである春日井製菓さんでも、なんとソーシャルスナックをイベントとして開催しています。

好奇心旺盛な大人たちが、生ビールとグリーン豆をお供に、気になる人の気になる話を聞いて楽しむ社交場、「スナックかすがい」。
今回は、2019年7月25日に行われた、第八夜にお邪魔してまいりました。
その模様をお届けします。

スナックかすがいとは


”かすがい”とは、「子はかすがい(鎹)」でお馴染みの、二つの材木をつなぎとめるために打ち込む、コの字型の釘のこと。
春日井製菓の社員であるマスターが、異なる分野で活躍する、視点も立場も違う二人のゲストの”かすがい”となって、気になるテーマについてお話を引き出すスタイルのトークセッションでした。

イベント概要


・日時:2019/07/25 (木) 18:15開場 18:30乾杯 21:30お開き

・場所:WeWork新橋(東京都港区新橋6-19-13)

・参加費:お一人様1,000円(生ビール:プレミアムモルツ・ヒューガルデン飲み放題+かすがいのグリーン豆食べ放題付)

[ かすがいのグリーン豆 ]

・定員:50名様

・当日の流れ
【第1部】18:30~20:15 ゲストトーク(好きなお席にお座りください)
【休 憩】20:15~20:30 WeWorkコミュニティチームによるWeWork新橋クイックツアー
【第2部】20:30~21:30 かすがいタイム(ゲスト含む参加者同士の交流タイム)

話題の人に、マスターが裏話を根掘り葉掘り!


冒頭のゲスト紹介では、スナックを開いたばかりのマスターが、ゲストを常連にしたくて一生懸命調べた体で、色々と裏話や苦労話を聞き出す場。

懐メロが流れる店内。
ピンクのネオンの“かすがい”ライト。
首から下げたグリーン豆をつまみながらビールを嗜むお客たち。
「THE スナック」な雰囲気の中で、わいわいとイベントは開催されました。

過去にも様々な仕事人を招いてきたスナックかすがい。
この日のテーマは、「先入観の壊し方・活かし方~レトルトメーカーと静岡市を熱くする、厚い二人の仕事術~」。
仕事において深く関わってくる”先入観”について、マスターがお話を聞いちゃいます。

先入観を”壊す”、にしき食品さんのお話

この日のお客様は2名。
まず、先入観を”壊す”お話をしてくれるのは、にしき食品支店長の竹田さん。

竹田 太造さん|Mr. Taizo Takeda / にしき食品株式会社 東京支店 支店長

1974年千葉県生まれ。大学在学中より、いわゆるバックパッカーとして旅に興味をもち、卒業後は1年間で世界を一周する。
その後新婚旅行で訪れたインド・ケララ州クメリにてスパイスの洗礼を受ける。
2004年インド人経営のスパイス輸入販売会社に入社。
2010年よりにしき食品に就職、インドカレーシリーズ32品*を、足掛け5年かけて完成させる。
2011年より日本人インド料理シェフ、料理研究家と共にインド料理のイベント 実行委員会会長としてLOVEINDIA を開催。
※悲しいことにインドシリーズは2019年リニューアルにより9品に。

”レトルトは身体に悪い”という先入観

まず、カレーの種別シェアを見てみましょう。

家族が徐々に核家族化し、大量に作っていたルウカレーのシェアを、徐々に”食べきり”で”簡単”なレトルトカレーが上回っています。

おうちで作るカレーが、おうちで作らないカレーに抜かれたのは衝撃的でもありますが、この逆転を牽引したにしき食品さんとしては、どのような苦労や葛藤があったのでしょうか?

「レトルト食品」と聞いて、あなたの脳裏には、どんなキーワードが思い浮かびますか?

マイボイスコムが1万人に調査した結果によれば、レトルト食品を買う理由のトップ3は「簡単」「クイック」「安い」、買わない理由は、「原材料や添加物が気になる」、「おいしくない」「身体に悪そう」だったとのこと。

かの「ボンカレー」のサイトにも、「なぜ”レトルト食品には保存料が入っている”と勘違いしてしまうのか?」という記事があるように、レトルト食品は長く保存ができるので、保存料が入っていて身体に悪そう、と思い込んでいる人が多いようです。

高圧と加熱でつくられるレトルトには、そもそも保存料を使う必要がなく、また、使わないことがルールになっていますが、化学調味料や着色料や香料となると話は別。
「安い」という先入観通りに価格を抑えるには、こうした添加物を使わざるを得ないメーカーが多いのも実状です。

そんな業界で「レトルトだからおいしい」と言わせるべく、レトルトの先入観を壊してきた会社が、今回ゲストでお招きする宮城が本社の「にしき食品株式会社」。

1975年からレトルト釜を導入して技術を磨き、皆さんが絶対に知っている会社のレトルト食品をOEMでつくっている一方で、2005年から自社ブランド「ごちそうレトルト専門店にしきや」を立ち上げ、2010年には化学調味料も着色料も香料を使わないことを決断。

原材料仕入れから製法、物流、価格設定に至るまで壮絶な挑戦を重ねてきたことで、「レトルトだからおいしい」を実現しています。


(伝統的な形態を”壊す”斬新なパウチ型のパッケージも魅力)

この会社で、インドカレーシリーズ32品を足掛け5年かけて完成させ、今は東京支店長を務める竹田さん。

先入観を壊すレトルトメーカーへ

レトルトカレー屋ではなく、前進はつくだ煮屋さんであったという、にしき食品。
当初は栗きんとん、煮豆などを作っていたそうです。

時代はレトルトですよと営業され、レトルト製造の機械を買ったものの、何を作っていいかわからない時期が長く続いたとのこと。でも、仙台名物の牛タンを入れたカレーが大ヒットしたことで、つくだ煮からレトルト食品に振り切ったそうです。カレー以外にも、コーンポタージュやクラムチャウダーなど多様なレトルト商品を製造・販売されています。

実際にWeWorkでもコーンポタージュの試食がふるまわれましたが、とても濃厚で非常に美味しく、みなさんびっくり。


(実食提供されたコーンスープ)

レトルトだからおいしい、の時代を作ったにしき食品。


(スチールも可愛らしいLOVE INDIAシリーズ)

今後も良い意味で予想を裏切る商品展開に注目です。

先入観を活かす”静岡市”

さて、では今度は「静岡市」。この地名を聞いて、あなたがイメージしたのは何でしょうか?
伊豆、熱海などは静岡県であっても、静岡市ではないんですよ!と語るのは静岡市の藤澤さん。

藤澤 翔さん|Mr. Sho Fujisawa / 静岡市 総務局 市長公室 東京事務所 主査

1982年、静岡県富士宮市生まれ。
静岡大学卒業後、2年間の自分探しの期間を経て、静岡市役所へ入庁。
入庁後、都市局都市整備部街路課(用地買収)、経済局商工部産業政策課(中小企業支援)、静岡銀行法人部出向(商談会、ビジネスマッチング)、総務局広報課(シティプロモーション)を経て、現在は東京事務所に所属。
首都圏でのプロモーションを仕掛けるとともに10月からWeWorkのでの活動も担当。

中学から大学まで部活でバレーボールを続け、現在も、年々動けなくなる現実と闘いながらプレーを続ける。
その傍らで静岡市内の中学校男子バレー部の外部コーチも行っている。
仕事におけるモットーは「誰のために何のためにやっているのかを考えること」。
嫌いな言葉は、「前例踏襲、事なかれ主義」。

プラモデルや桜えび…隠れた名産のある静岡市

まずは静岡県と静岡市の場所を確認した上で、どちらがどちらのシンボルマークかを確認するテストが。
地形に沿って作られたそれぞれのシンボルマークに、改めてこういう地形だったのだと思わされます。


(静岡県と静岡市のシンボルマークの写真)

マスターの豆彦さんも、「静岡市の名産として、なましらす、温泉、お茶、うなぎ、おでん、鰹節あたりを想定していたが、調べてみると、温泉は熱海市や伊豆市、うなぎは浜松市、鰹節は焼津市だったと判明。静岡市のサイトを見て、富士山や桜エビやお茶、国宝「久能山東照宮」、プラモデルで有名なタミヤなどがこの地の財産だったと初めて整理がつきました。」と語ります。

歴史が徳川時代にまで遡る静岡市。
駿府城や久能山東照宮の建立に携わった職人たちを先祖に持つ、手先の器用な人達が集まったことを背景に、プラモデルのTAMIYAなどのホビーメーカーが生まれたのは面白いですね。

市で発掘したタレント紹介のため、WeWorkへ

静岡市は自治体としてWeWorkに入居した第一号。WeWorkのメンバー企業に積極的に働きかけ、たくさんある市の魅力を紹介するイベントを連発しています。雄大な富士山や豊かな海の幸といった「もともとあるイメージ」を基盤に、たくさんある「市の財産」を、狙った相手のニーズに合わせて編集して提案していくことで、「それも静岡市だったんだ!」と言わせるのが、静岡市流アプローチ。

静岡市の良さを信じ、どんどん広めている藤澤さん。
この日も静岡市のおいしい商品をサンプリングされていました。

様々な企業が入居するWeWorkは、地方都市のPRには打ってつけのようです。

次回に向けて

今回のお話を聞き出しながら、かすがい製菓の先入観とは何かを考える豆彦マスター。
「例えばこのグリーン豆は、“安くて当たり前”という先入観があるけれど、想いきりこだわって500円でも買いたいと思われるものをつくることだってできる。先入観を壊したり、活かしたりする方法を考えて、未来の商品開発に活かせたら」と語りました。

次回のテーマは「やる気のデザイン」。
いま話題沸騰の「宿題やる気ペン」仕掛け人・中井さんと、グローバル・アスリート・プロジェクト代表の田中さんが登壇します!
お楽しみに!

ライター

Nocchi

Polaris管理人。
働き方の柔軟化を通した人生満足度向上を推奨している。

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