パラキャリ酒場Vol.11@神保町 〜フリーランスの夢と落とし穴編~のイベントレポートをお届けいたします。
パラキャリ酒場とは?
働き方改革が叫ばれる昨今、「パラレルキャリア」という複数の仕事を持つ新しい働き方への注目度が高まり、実践する方・副業を解禁する企業が増えつつあります。
一方で、身近に実践者がいない方がまだまだ多いのも事実で、
「パラレルキャリアに興味はあるけれど、何からはじめればいいのかわからない」
「副業禁止の会社に勤めているので、できることが限られる」
などと悩む声も聞こえてきます。
そんな方が“パラレルキャリアのはじめの一歩”を踏み出すための、ユニークなパラキャリ実践者の体験談を聞けるトークイベントです。
[ パラキャリ酒場 HP ] [ Peatixアカウント ]タイムテーブル
2019年6月27日
19:15 開場
19:30~20:00 オープニング・登壇者紹介
20:00〜21:00 パネルトーク
21:00〜22:00 登壇者を交えたテーブルトーク
22:00 終宴
会場
みらい研究所
東京都 千代田区 神田神保町1-6 神保町サンビルディング 3F
イズミコウ / みらいけん副所長
今回のテーマ
「フリーランスの夢と落とし穴」。
「いずれ独立したい」「会社員の傍らフリーランスで副業をしたい」と思っても、身近にフリーランスが少ないと自分が活躍する姿もイメージしにくいもの。
フリーランスのメリットは?
軌道に乗せるには?
案件をどうやってとってくる?単
価を上げるには?
どんなコストやリスクがあり得る?
そんな疑問を、フリーランスとして活躍するパラキャリ実践者のトークを聞いて解消しちゃいましょう。
リアルな体験談から、フリーランスになる魅力も注意点も知って、ぜひご自身のキャリアを考えるヒントにしてください。
会場の雰囲気
ドリンク飲み放題でお菓子も提供され、和気藹々とした雰囲気。
なんとエノテカのソムリエさんもいらっしゃっていて、ワインも飲めるという素敵環境!
(ソムリエの湯澤さん)
いま流行のグラレコ(グラフィック・レコーディング)も披露されました。
登壇者
肩書きが2つでも収まらない方々が登壇!
フリーランスもパラレルワークも経験豊富な3名が、フリーランスの落とし穴について教えてくれます。
阿部寿輝(あべとしき)
1990年6月22日東京生まれ。
大学を卒業後、そのまま独立。学生時代、8000人規模のスポーツイベントの開催や新規事業立ち上げ等を行う。
その後、トップ経営者がどういった思考なのかが重要と感じ、経営者の元でWeb関係協力という形で潜り込み、経営者としての修行を行う。Web戦略を始め、経営戦略・ファイナンス・マーケティング・PRなどを通じて若手経営者、フリーランスの通訳、として縁の下の力持ちのような存在として活躍。
「創る人々と文化を創造する」を軸に、経営者やフリーランスと共同で様々なビジネスプラン、アイディアを形にする仕事を請け負う。
フリーランスNight☆@東京を主催し、総勢200人以上のフリーランスが参加。
現在は社外の事業パートナーを行いつつ、クリエイターの独立支援やアドバイスをしている。またVtuber関連の事業を多く行っている。
アニメ・漫画好き。好きなスポーツはバスケ。
上村菜穂
延べ800名以上の女性集客経験があり、月間20名以上の女性をBlog・SNS等によって新規集客。
集客やPRのコンサルティングやセミナー講師を行っている。
ライターとしては、サイバーエージェントが運営するアラサー女性向けメディア『by.S』、ネオキャリアが運営する『起業サプリジャーナル』にてインタビューライターを担当。
講師やパネラーとしては、東京大学・楽天・マイナビ・サイバーエージェント等で延べ1,300名以上へ登壇。
Instagramフォロワーは5,000名。
14歳でメールマガジン20,000人・恋愛部門1位を取得。歴代最年少記録。
その他に、司会(2,000名来場規模の柏マルシェ、200名規模のコミュニティーイベント)や、2016年度東京都足立区にてうぐいす嬢/サロンモデル等も経験あり。
[ 上村菜穂 @naho0708 ]小谷草志
88年兵庫県生まれ。鳥取大学卒業後、株式会社schooの立ち上げ期にインターンとして参画。イベントプランナーから放送ディレクターまで幅広く経験。
その後、マーケティングリサーチ会社やサバイバルゲームフィールドを運営している株式会社ASOBIBAなどにて従事。
約4年前にフリーランスとして独立。鳥取では行政や企業と一緒に地域プロジェクトの立ち上げや事業化を行い、東京では企業のマーケティング戦略提案などを行う。2017年に株式会社Lboseを立ち上げ、2018年10月よりフリーランス向けのプロジェクトシェアプラットフォーム「TEAMKIT」を運営している。
現在も鳥取と東京の二拠点生活を通して、パラレルキャリアを実践中。
モデレータ
高村エリナ
パラキャリ酒場代表。
出版社に勤務しながら、NPOやベンチャー企業にて、編集、ライター、広報のパラレルワークを実践中。
NPO法人奔流中国にて、代表の著書『馬上の旅人』の編集をプロボノとして手掛けた際には、amazonカテゴリランキング1位を海外旅行ほか3部門で獲得。
パラキャリ酒場を2018年7月に立ち上げ、全国100回開催を目指してお酒片手に奮闘中。パラレルキャリアをはじめたい方向けの実務講座「ゼロイチ予備校」、パラレルキャリアで広報・地方創生に取り組みたい方向けの「秘境PR部」も展開。
フォトグラマー
甲斐 千晴
今回のレポートで使用している写真は全て、甲斐さんが撮影されたものになります。
グラフィック・レコーダー
斎藤まなみ
塚本忠行
今回のグラフィック・レコーディング
パネルトーク
<1>フリーランスは、どうやって仕事を軌道に乗せるのか
パラキャリ酒場のオーナーをしている高村さん。
なかなか売り上げを伸ばしにくいイベント業で自身も奮闘する中、登壇者の皆さんがどうやってフリーランスの仕事を軌道に乗せたかについて伺います。
ライターをされている上村さんは、始めやすい業務であったが、単価が1,000円からと安い仕事なため、成長だと割り切って下積みを行ったと語ります。
Webやマーケティングから入った阿部さんは、とりあえずデザイン、イラスト、Web、なんでも受注してみて経験を積んだとのこと。仕事がもらえるかは信頼の連鎖のため、きちんと納品すること、無理に受けないことも大事と語ります。軌道に乗せるためには法人の発注が取れるようになることが必要と教えてくれました。
TEAMKITというサービスを展開する小谷さんは、フリーランスになった当初は、前職でやっていたマーケティングリサーチの仕事から始めたそう。会社員時代よりも収入が高いことの理由を考えてみると、マーケティングリサーチ業界におけるフリーランスでやっている人は年齢が高めの方多いため、そこよりも安価な案件が流れてきていると気づいたと言います。
[ 個人がプロジェクト単位で働く – TEAMKIT ]いずれも、できることから着手しながら自己分析を深め、女子大生ライター、2拠点居住などの特性をつけながら、大手の人が苦手だと思う空隙をねらっていく「ニッチ型成長」を推奨されていました。
また、求められる人材が必要な理由として、堀江さんの本が例として挙がっていました。
特化していること、人がまだ着手をしていないこと、そういったところを見つけてきちんと個性を育てることがフリーランスには大事なようです。
<2>フリーランスとしてパラキャリをやるメリット
専門性を磨いてニッチ型成長を目指すフリーランスにとって、パラレルキャリアとはなんなのか。
複数案件を同時並行するパラレルワークと、異なる職種を一人の人間がもつパラレルキャリアは異なるもの。
案件がなくても最低給与が保証されている会社員とは異なり、いつ案件が終了するかわからないのがフリーランスの悩み。必然的にパラレルワークは選ばざるを得ないと語ります。
一方、仕事は掛け算で生まれることが多いから、パラレルキャリアをしておいた方が仕事が来やすいという意見に収束。「仮想通貨事業に注力していた友人がいるけれど、潮目が変わった時には大変そうだった」と高村さん。
パラレルは、特定の業界・職種が傾いた時のリスクヘッジとしても有効そうです。
また、「例えば、僕は野菜に元々関心があったわけではないんですが、農家の人たちと関わっていると、そのECの相談がきたりします」と阿部さん。
上村さんも「女性起業家向けの支援をしていると、インスタセミナーをしている中で、サロンを開きたいけど場所の見つけ方の悩みとかをしてくる人もいて…不動産の支援をすることもありますが、そうやって本当に困っていることを支援できることは嬉しいし、相談されるので強みになる」と経験談を語ります。
また、”リスクヘッジ”という言葉から、話題は、今回のお題でもある「フリーランスの落とし穴」へ。
ネットワークビジネスへの勧誘が多いこと。
契約関係でどうしても立場が弱く泣き寝入りせざるを得ない場面もあるので、きちんと契約書は弁護士に見てもらうこと。
税務や、こういった情報が途切れがちなので、きちんとフリーランスの人脈を作っておくこと。
こんな示唆が展開されました。
<3>副業解禁時代にフリーランスを目指す方へのメッセージ
ゼネラリストが台頭してきた近年において、自分が何者かわからないサラリーマンが多い中、フリーランスという働き方を実践している皆さんからの贈る言葉。
自分の働き方の見直しは、フリーランスになってからも行っていると語る阿部さん。
「結局、自分がどういうライフスタイルをしたいのかというのが必要なんじゃないかと思っていて。わざわざ会社員ではなくフリーランスという働き方をとったのに、ものすごく稼げていたけど自由時間が全然ない時期があったりした。」
フェーズによって、結婚したり、子供ができたりすると、なりたい像は変わっていくものであり、それにはめやすいフリーランスは生きやすいと言います。
「レベルを上げていけば、やりたくないことは断ることができるようになるので、精神衛生が保ちやすいのもメリットです」と語るのは上村さん。
「副業というとせどりなどから着手される方も多いですが、楽しいかということはいつも自問した方がいい」と阿部さんが応じます。
自分が何をしたいかをきちんと表に出しながら、ベーシックインカムはきちんと確保することも、生活が全て自己管理となるフリーランスの、大事な要件だと語ります。
会社員にも自己メンテナンスは可能と話すのは、小谷さんと高村さん。
「出社前の朝にカフェで勉強するでもいい、決められていない時間をどう設計するかというのはフリーランスになっても大事な習慣」と小谷さん。
高村さんも、「まずは小さなところから、自分なりにカスタマイズや決断をする練習をするのはあり。仮に職場での自由度が低くても、デスクの環境くらいはいじれる人が多いはず。私はテンションを上げる仕掛けづくりとしてサボテンを置こうと思ってます(笑)」と続きました。
終了後
パネルトーク終了後のテーブルトークでも、皆さん、周囲の方とたくさん交流され、大変盛り上がりました。
多くの方が参加され、パラレルキャリアについて学んだ今回。
これから副業、複業や独立をお考えの人に、とても勉強になるコミュニティでした。
次回の開催
次回は7月31日の開催です!
Polaris代表Nocchiも登壇させていただきます。
ライター
Nocchi
働き方相談所Polaris管理人。
複業支援、企画、コミュニティ・マネージャー、新規事業支援などを行う、9足わらじパラレルワーカー。
漫画家、グラレコーダーでもある。
働き方相談所PolarisのSNSフォローをよろしくお願いします♪
[ Facebookページ ]
[ Twitter ]