Vol.39 -川西 克典 / オーガナイズ好きで5足わらじの僕が、PIXTAのコミュマネになるまで

※内容は、2019年5月時点のものです。

デジタル素材のマーケットプレイス、PIXTAでコミュニティ・マネージャーを務める川西さん。
これまでも朝活の開催などを多く手がけてきました。
独立を目指すわけではないが、昔からオーガナイズを好み、多くのコミュニティを持っています。
これから多くの人のモデルケースになるであろう、マルチコミュニティな生き方とは。

現状のベストをたどっていく。
未来は、不安定なものだから。

いま


– 川西さん、今やっていることを教えてください。

5足わらじ、ですかね(笑)
本業は、PIXTAでコミュニティ・マネージャーをしております。

[ 画像・動画の素材サイト – PIXTA ]

副業でJapan HRTech カンファレンスの事務局。

[ 未来のHRを見つめよう – Japan HRTech カンファレンス ]

個人で開催している朝活読書会。

[ ええやん!朝活 ]

渋谷ズンチャカ!という音楽フェスの実行委員会。

[ 渋谷ズンチャカ! ]

夜空と交差する森の映画祭も運営に入っています。

[ 夜空と交差する森の映画祭 ]

– 昔から本当に色々やっていますよね〜(※Nocchiとは数年来の友人)。映画祭は、白勢さんとご一緒されてるんですね。

そうですね。
先日のPolaris Night #2では、白勢さんの普段みられない姿、聞けないお話が見聞きできて新鮮でした!

[ Vol.35 – 白勢 竜彦 / 全ての人を主催者に – Peatix Japanコミュマネの僕が願う世界 ] [ Polaris Night #2 開催レポート ]

-スキルシェアの「もうやん文京」も以前開催されていましたね。私も登壇させていただきましたね、懐かしいです。

もうやんカレーに由来し、文京区で開催していた”もうやん文京”ですね。
Nocchiさんにお越しいただいたのは…3年前か、Vol.10ですね。
実はグラレコの本園さんもご登壇されているのですよ。

[ もうやん文京 ] [ Vol.18 – 本園 大介 / 3.11震災で命に向き合い、僕はグラレコ講師になった ]

– 本当に、いつかどこかで出会ってたんだなぁという人っていますよね(笑)川西さんは、どうやってかかわりが増えていくのですか?

どこかのイベントで関わって、そのまま…というのが多いですね。
やっぱり人脈というか、ご縁というか。

– 人脈広そうですもんね。PIXTAのコミュニティ・マネージャーとしては、どういうお仕事を。

PIXTAはWeb素材として写真、動画などを扱うマーケットプレイスです。
僕の部署の目標は仕入れ側なので、クリエイター側のコミュニティ・マネージャーをしています。
クリエイターに向けてのサポート・企画・イベント運営などが主な業務です。


(ピクスタさんのオフィス)

– クリエイターはどういう方が多いのでしょう。

団体行動というよりは、フリーで動きたいという方が多いですね。
一方で横のつながりを求める方もいるので、そこに向けてアプローチする感じです。
イラストレーターさんなども活躍されています。

仕組みとしては成果報酬型で、作品の購入に至ると、クリエイターに売上の一定割合が入る感じです。
世間の流れを先読みして素材制作しないといけないので、もう年賀状のイラストを作り始めている人とかもいますよ。

– あとでイラストレーターで登録させていただきます(笑)コミュニティ・マネージャーをする上で、工夫していることなどはありますか。

クリエイターさんと対等であることは意識しています。上下関係を作らない。
僕らは、雇用関係でも顧客関係でもないので。
本当の意味のWin-Winだと思っています。

– 素敵ですね!現職を選ばれた理由は。

前職はメーカーの情報システムで、全く違った仕事でした。
社外活動でいろんなものに触れる中で、コミュニティ・マネージャーという職を知って。
これまたコミュニティ・マーケティングの集まりで、PIXTAがコミュマネを募集していることを知りました。

– コミュニティって大事ですね。コミュ二ティ・マネージャーのコミュニティがあったらいいなと最近思っていて…

ツクルバの吉田めぐみさんも活動を始められましたよね。

[ Vol.33 – 吉田めぐみ / ”自分”を探して旅に出た私が、co-ba shibuyaのコミュニティマネージャーになるまで ]

あちこちには存在するので、そろそろ棲み分けが必要なのかなという感じはします。
コミュマネという定義ではあまりに広くて。
SEのグループ作ります?みたいな感じじゃないですか。
これの中に、フロントエンドもバックエンドもSwiftもJava Scriptもいるわけで。

– そうですよね。ご自身は、実際にコミュマネをやってみていかがですか。

いや、みなさんもおっしゃっていますが…すっごい地味ですよ(笑)
氷山の一角というか…
事務的なことのほうが、見えないけれど圧倒的な割合を占めています。

僕はこういったことが苦にならないし、そもそも、そこを好んでやっていたところもあります。
そういうタイプに向いているお仕事だと思います。

– 運営を望んでやれる方が良いのですね。社外活動はいつ頃から始めたのですか?

社会人2年目ですね。
おすすめの本を紹介する読書朝活が最初ですね。

– これはどうやって始まったのですか?

少し変わった始まり方をしていて…(笑)
普通、読書好きが集まるじゃないですか。
僕、本をあまり読まないのですよね(笑)

– え!

僕にとっては、本を読むよりイベントをやるほうが楽だったんです。
開催すれば、主催だから毎回新しい本をイベントまでに読まないといけないというきっかけが生まれるので、行動を促すきっかけができる。
他の人には驚かれますけどね。
それでも最近は読むようになりました。

– 直近でよかった本はありますか。

最近は「信長の原理」がよかったです。
パレートの法則とか2:6:2の原則の話。

[ 信長の原理 ]

[ パレートの法則 ]

– 2割が8割を支えているという話ですね。

はい。「信長の原理」は、時代物に見せて、内容はとてもビジネス寄り。
面白さもわかりやすさも良かったです。

– イベントはどれくらいの頻度で開催されているのですか?

このイベントは5年間、月2回。
毎回15人くらい来ます。
告知は様々な手を尽くしていて、HP、Facebook、Twitter、mixi、Peatix、meetup、読書メーター…なんでも使っていますよ。

– 幅広いですね!懐かしい、mixi(笑)

それなりにいらっしゃいますよ。30~40代が多いですね。
2-3割が常連さんで、残りは、2-3か月に1度、年に1-2回に1度、ご新規さんなどが、ちょうど良い感じに混ざっていますね。

[ mixi ] [ 読んだ本を記録して新しい本に出会おう – 読書メーター ]

– 新規の方が常に流入するように設計するのは、自走するコミュニティのコツの一つとして、Polaris Nightでもお話がありましたね。他の活動についてはいかがですか。

Japan HRtech カンファレンスは、大規模イベントの経験が欲しくて参画させてもらいました。
PIXTAでも年1回の頻度で100人強規模のイベントを開催しているのですが、今後はさらに大規模のものを開催することを見据えていて。
経験を積みつつの副業として、関わらせていただいています。

– いいですね。個人的にもっと稼いでいきたい!という気持ちはおもちなのですか?

え、めっちゃありますよ(笑)
稼ぐのがうまくなりたい。
僕はあまりそこに注力してこなかったところもありますし。

PIXTAは、副業クリエイターが多く、土日にイベントをすることが多いので、どうしても今は平日がメインに活動できる時間にはなりますけどね。
やれることを増やしていければと思っています。

これまで


(北海道交換留学の際の川西さん / 一番左手前)

– 子供時代、学生時代。

僕、出身は大阪で。
幼稚園は…人見知りだったみたいです。
行きたくなくて園長先生の部屋にいるレベル(笑)

一つ目の大きな転換点は、小学校の時に地方との交換留学でホームステイに行ったことですね。
北海道に無理やり連れていかれて、親元から離れて知らない人ばっかりっていう環境が10日間(笑)

– これは川西さんにとって、よかった、のでしょうか?

結果的によかった。小学校2年生の時です。
ここでちょっとキャラが変わりましたね。
このころから幹事願望がでてきて、修学旅行実行委員会とかやっていましたね。

– 幹事願望って、どうして生まれてくるのでしょうね。

のっちさんもあるでしょ?(笑)

– う…わたしの場合は…”お客さん”になれないんですよね…居心地が悪い。

あはは、それだ。
「自分をいかして生きる」という本の中にこんな例え話があります。

レストランに行ったときって、人によって感じ方が違うらしいんです。
味つけこれじゃないでしょって思う人は料理人向き。
インテリアこれじゃないでしょって思う人はデザイナ向き。
ただ楽しいね~、で終わるのはお客さん。
なので、自分で何がやりたいかわからない人は「お客さん」になれないものを探してみてはというもの。

[ 自分をいかして生きる – 西村 佳哲 ]

– オペレーションから何まで気になりますね…(遠い目)

経営体質とでも呼ぶのですかね(笑)
僕は、アナウンサーとか司会っぽいことをやりたくて、それもやっていましたね。

– わぁ…私も、生徒会も放送部もやってたなぁ…

もう、ここでわかるんじゃないですか?そういう気質かどうか(笑)
場を回したいという願望なのではないかなという気はしています。
編集者と、DJと、コミュマネってあんまり変わらないというし。

– そうなんですね!小学生の頃になりたかったのが、雑誌編集者とインテリア・コーディネータだった…(笑)

もう典型じゃないですか(笑)
僕は、中学は意外と普通でしたね。

– そうなのですね…あっ、習い事はされていました?

ずっと続けてたのは、そろばん。初段取りました。
金勘定が楽しかった(笑)
習字と水泳もやっていたけれど、普通でした。

中学の時もバーチャル投資をしていたんですよ。
ちょうどライブドアショックで、超赤字出しましたけどね(笑)

– お金の動きを見るのが好きなのですね。

今でも家計簿をつけています。
イベントの管理もそうですよね、収支を見るのが結局楽しい。
見るの好きでしょう?(笑)

– ハイ、家計シミュレーションもイベント収支管理も楽しいです(笑)川西さん、部活は?

中学が卓球、高校がテニス、大学が合唱。
バラバラです。
コミュマネっぽいことを考え始めたのは、大学からですね。

合唱部が100人くらいいたのですが、部活なのでちゃんとやっていて。
ここまでくるともう、組織なんですよね。
合宿のマネージャーとかやっていました。
だんだん演奏よりも演奏会の段取りするほうが楽しくなってきて。

– あ~、片鱗が…(笑)

大学4年生の時は50回目の記念演奏会で、OBOGをと合同演奏する試みをやってみたりしました。
今まで借りたことのない大きなホールを借りてみたり。
有料にしてみたり。

この組織は、部長、指揮者、マネージャーという三権分立でした。
部長は部のトップ。
指揮者は音楽のトップ。
マネージャーは組織のトップ。
僕はマネージャーだった。

– 良い経験だったのでしょうね。就活はいかがでした?

すっごい楽しかったです!
人の会社に行けるのが楽しくて仕方ない(笑)

ニッチ(マイナーな分野の意)で最上位の会社ばっかり行ってました。
消化器メーカーNo.1とかね。

– 消化器メーカーNo.1!気になる!

僕は保守派だったから、ニッチトップだったら絶対つぶれないと思ったんです。
結局、1社目は不織布のトップメーカーにしました。
マスクとかに意外に使われているんですけど、一番多かったのは自動車の内装でしたね。
ここには5年ちょっといました。

– 面白いですね!

営業をやりたかったけれど、情報システムに配属された。
社内システム系の何でも屋でしたね。
テクニカルサポートみたいなのもやっていた。

平均年齢42歳というなかなかトラディショナルなところでした。
就職氷河期はとれなくて、団塊は多くとったんだなぁって、わかりやすい社員デモグラ。
日本を象徴するような企業ですね。
でも超ホワイトでしたよ。

– そうなんですね。一方でCS(カスタマーサービス/サクセス)って、大変なお仕事に見えます。

僕の担当は社内だったのですけどね。
とにかく色んなお問い合わせがきました。

転職活動は…したわけではないんです。
前述のように、もう自然な出会いというか、ご縁だった。
悩みましたが、情報システムは年齢を重ねてもできるかなと思い、転職を決めました。

– そうなのですね。昔の自分に言いたいことはありますか。

思っている以上に思ったようにはいかない、かな。
僕は今でも、何がやりたいかわからない。
短期の積み重ねのほうが向いている気がする。
細かくターニングしていくほうが、いいですね。

価値観


(渋谷ズンチャカで活動中の川西さん)

– 今、一番情熱をもってやっていること。

え、難しいな(笑)
ん〜…今年に入って一番はまってるのがTwitter。

– ぐみさん(吉田めぐみさん)と一緒ですね(笑) 教えてほしいです!

ん~…多分ね、夢中にならないとフォロワーは増えないです(笑)
僕は今、4アカウントもってるのですが、一番伸びているのは読書朝活のもの。
サーチしたり、いいねしたり、どんどん能動的にアクションしていくことで、フォロワーさんは増えていきますね。

– そのインタラクティブな感じが面白いのですかね。

うんうん。
Facebookより全然話しかけやすいですしね。

後、夢中ってほどではないけどここ数年はまってるのは盆踊り。
オマツリジャパンにかかわってからですね(笑)

– やっぱり、オマツリジャパンか(笑)(共同代表の)やんまーさんとだいぶ昔に、お会いしたことがあって。

[ オマツリジャパン ]

僕ら界隈だと共通の友人も多いですよね。
令和になる瞬間、岐阜県の山奥でやってる伝統的な盆踊りがオールナイトでやってて、それに行っちゃいました(笑)

[ 時代超え岐阜躍動 郡上おどり徹夜で祝う ]
岐阜新聞Web
 
時代超え岐阜躍動 郡上おどり徹夜で祝う
https://www.gifu-np.co.jp/news/20190501/20190501-134410.html
 鳴り響くげたの音が令和時代の幕開けを告げた。岐阜県郡上市八幡町で4月30日夜から1日未明にかけ、改元を祝う郡上おどりが行われた。浴衣姿などの踊り客が去りゆく平成を惜しみ、令和の始まりに心を躍らせた。  30日午後8時ごろ、おはやしが始まると約1万...

1.5万人は来たみたいですよ。
TVもそればっかり映してたらしい。
僕もちょっと映りました。

– あ、FacebookのTL(タイムライン)でその投稿を拝見した気がします!すごいですね。ご趣味は?

ラジオですね。FM系が多いです。
どれを聞くというよりも、垂れ流してる。

– 前にお話しされてましたね。Radikoとかを使ってるのですか?

[ Radiko ]

いや、今時ラジカセなんですよね(笑)
中学校の時のプレゼントをずっと使っていて。
MDも聞けちゃうレベルです。

– 懐かしいですねぇ。

ラジオが一番情報が早いと思うんです。
テレビはすごく遅く感じる。
テレビとTwitterの中間がラジオな気がします。

Twitterで芽が出てきた人がラジオに出て、テレビ、みたいな。
ちょっと頑張れば会えるかも見たいな規模感。

– だんだんマスになっていく感じですね。

あとぶっちゃける文化なのが面白いです。
聞いている人も少ないし、記録に残らないので、炎上しにくいのですよね。
アーティストものびのびやっている気がしますね。福山さんとか。

[ 福山雅治のラジオ ]

– スズキトーキングFMめっちゃ聞いてたな…(※同番組は終了しています)。おすすめのアプリ、サービスはありますか。

Evernote!これがないと死にますね…
使ってないですか?

[ Evernote ]

– 以前ヘビーユーザでした!今は、Google spread sheetと個人Slackを使っていますね。

あ、そうなんですね!
個人ワークスペースか、いいかもですね。

[ Slack ]

あとはPocketですね!

[ Pocket ]

– メディア運営をしているとブックマークツールに敏感になりますが、Pocketやはてブ(はてなブックマーク)はよく見ますね。川西さんは、スマートニュースとか、NewsPicksとおっしゃるかと思っていました。

そうなんですね(笑)
前は読んでいましたが、もうTwitterでいいじゃんって感じです。
情報系は有料メルマガに唯一入っていて。

[ 運営堂 ]

月額500円です。

– 結構しますね!

でも、いいニュースがたくさん入ってくるのでおすすめです。
新聞取るよりもいいですね、新聞は会社で読めますし(笑)

これから

– 今年やりたいこと。

結構仕事寄りになりますが、地方の開拓ですね。
地方クリエイターの開拓をやろうとしていて、コミュニティを創ろうとしています。

– 地方と都心の人の違いって、本当にすごいですよね。デジタル・ディバイドという言葉では表せないくらいのギャップがある。

LINE Payでその話がありましたね。
送金キャンペーンで、相互送金をしようと地元の友達に連絡したら、「LINE Payって何」と言われたと。

[ LINE Pay ] [ 祝令和・全員にあげちゃう300億円祭 ]

– ありそう。そもそもSNSやWebが主流ではないので、チラシで配るのがもっともいい宣伝方法だという話も聞いたことがあります。

今後我々はどうしたらよいのでしょうね。
その溝を少しでも埋められたらと思いますが、その手段が、僕は白勢さんと同じで…
全ての人が主催者になれば、主催者の気持ちがもっとわかるのではないかと思っている。

人の前にたつこと。
運営の責任を負うこと。
やったことがなければ無責任に批判することができるけれど、やってみれば、それがいかに大変で重責なことなのかきっと理解できるはずで。

そうしたら、色んなことをやる人への批判はきっと少なくなって。
何が起こるかというと、出る杭が打たれなくても良い環境が整っていくんですね。

– 自立性が高まる…んでしょうか。

すぐには変わらないと思うし、パレートの法則は存在し続けるんじゃないでしょうか。
2割が8割を支える世界。

トヨタの終身雇用限界ニュースが先日出ましたが、僕は、終身雇用でもいいと思っていて。

[ 「終身雇用難しい」トヨタ社長発言でパンドラの箱開くか ]

結局、8割の人のベーシックインカムが、これまでの大企業正社員終身雇用みたいな話だったわけで。
それでもやりたいやつが、飛び出して、GDPを押し上げてきた。

– やりたい人は止めてもいつか出て行くでしょうしね。そもそも行動決定軸が好奇心にある人たちなので…

仕事は辛いという人たちと、僕らのような、好きなことをしようと行動している人たちとがいて。
そして僕らはすでに、自身のやりたいことがたくさんあって、誰に決められるわけでもなくやる、という人たちにたくさん囲まれている。

– 類友の方が居心地いいですからね…。そういう人の割合が社会的にも多いのだと錯覚してしまうので、むしろ会社の人たちと話すと驚くことも多々ですね。

そう。
やりたくないという層も存在していて、彼らの方が8割なのだろうなと感じる。
僕らみたいな人たちは、今までやってきたように、彼らとは別の世界観で生きればいい気もするんです。

– りこちゃんの取材でも同じような話に…。

[ Vol.38 – 山口莉来 / 高校編入とスタンフォード留学を経て、N高3年生の私がいま思うこと ]

結局、会社員って、500万円くらいのベーシックインカムを出すから、マイルドヤンキーみたいに働いて生きようっていうコミュニティであり、お金も、職場も、コミュニティも提供されてきたのだと思う。
特にやりたいことがないならば、こんなに幸せなことはないのではないかな。
だから、みんな外に出てこないのではないでしょうか。

– なるほど。だとすれば、なおさら、外に放り出された時に耐えられないかもしれませんね…我々からすれば自由で楽しい世界ですが、彼らからしたら誰からも面倒を見てもらえない、野良がたくさんいるサバンナに見えるのかもしれない。

それでいくと、慣れは必要な気はしていて。
僕は、自分の活動は、「みんなを舞台の上に上げる」仕事だと思っているんです。
渋谷ズンチャカも、映画祭も、みんなそう。

– そうですね。Polarisも同じだし、another lifeさんや、二枚目の名刺さんもそうなのでしょう。

先ほども言いましたが、出すぎる杭が打たれない世界を作りたいんです。
この活動の先にはそれがある。
元々作りたかったのはそれで、そしてそれができると自分が一番動きやすい世界になるよっていう話で、どこまでいっても自分のためなのです(苦笑)。

– 自分だけ踊っていても、つまらないですよね。

TEDの動画の話ですね(笑)
うん、みんなと一緒がいい。
そうじゃないと楽しくないじゃないですか。

[ デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」 ]

– これからの働き方。

多様化するんだと思います。
これは、「今までの働き方がなくなって、新しい働き方にシフトするから、生き残る」みたいなものが多いじゃないですか。

でもそうじゃなくて。
終身雇用も、正社員も、そうそうなくならないでしょう。
そうじゃなくて、契約社員とか、業務委託とか、生き方が増えるだけだよって。
そしてマイナーだったものを選ぶ人の割合が増えていって、珍しいものではなくなるだけ。

日本はもともと副業の国で、そこに戻っていくらしいですよ。
お百姓さんって、百の仕事をするという意味だったんです。
一つの畑でできることは季節ごとに変わってしまうから、二毛作をやったり、別の事業をやったりした。
困ったら、人はその時に合わせて色んなことへ挑戦していたはずなんです。

– 面白いですね!その時自分はどうしていたいですか?

ずっと、5個くらいプロジェクトをもっていたい。
仕事のアイデアもうかびやすいし。
僕は保守的なんです。
複数もっていないと、リスクヘッジできないでしょう?

– 保守的、という言葉は、「自身の慣れ親しんだ環境から外に出ない」という意味で使われていることが多い気がしますが、川西さんのおっしゃるそれは、正しい意味で保守的なのかもしれないですね。本質的なリスクヘッジは、怖がるより慣れることだと思います。

獅子の子供を谷底に落とすやつですね。
夏のプールも冬の温泉も、入っちゃった方が早いしね。

– 死にゃ〜しないわよ、ドン!みたいなね。慣れですよね、慣れ(笑)きっと、横で大丈夫だよって言って、見てくれている人がいれば、出来るのだと思う。10年後の自分をどう描いていますか。

ポートフォリオワーカーをやりながら、2拠点居住もやりたい。
大阪と東京でやりたいんですよね、実は地元愛が強くて(笑)

– いいですね!たくさん紹介したいです!副業は続けられるのですね。

はい、やっている方が僕にとっては自然なことだから。
今の会社でも、僕は自分がやっていることも、スタンスも全部話して、それでも受け入れてくれた。
副業が会社にばれたらどうしようという方は多いですが、あの心理で会社員をやるのはつらいでしょうね。

-「副業をする暇があるなら本業をやれ」と言われたり、裏で評価を下げられたり、そもそも承認されないという文化がまだそれだけ残っているということなのですかね。私ならそんな組織の方を出ようと思いますが…(苦笑)。

コミュニティが1箇所しかないことで、大変になることはたくさんあるのでしょう。
それは学校であっても、職場であっても、家庭であっても、同じ。

自分の評価をどこかの小さなコミュニティの数人が、どうして決められるだろう。
やりたいことがたくさんあって、自分には多面性があって、望むところで望む自分を受け入れてもらえたら、きっとそれだけで生きていけるんですよね。

– とてもわかります。サードプレイス、マルチプレイスの場づくり活動の根源はここにあるのでしょうね。ありがとうございました。

終えてみて

川西さん

インタビューはちょいちょい受けていて、朝活で一番受けています。
慣れてはいるものの、口に出すことで自覚することはたくさんあって。
こういう機会をいただけるのはありがたいなと思います。

いやぁ、ますます、Nocchiさんのインタビューがいつ出るのか楽しみ(笑)

Nocchi

4-5年くらいの付き合いな気もする、川西さん。もう始まりが思い出せません…(苦笑)
改めてお話が伺えて良かったです。
私のインタビューは…ずばずば言っちゃいそうで怖いので…noteで有料コンテンツとかの方がよいかもしれませんね…(笑)

Profile

川西克典/Kawanishi Katsunori
ピクスタ株式会社 コンテンツ部 コミュニティマネージャー

1990年大阪生まれ。
2018年4月よりピクスタにコミュニティマネージャーとしてジョイン。
クリエイター向けのサポート・企画・イベント運営・情報発信等を行う。
その他にも朝活読書会の主催や複数のフェスの運営に携わるなど多種多様なコミュニティ・イベント活動に従事している。